介護施設

介護報酬改定から見るM&A戦略

介護報酬改定の軸

介護報酬改定の議論が終盤を迎えて来ています。議論の軸は、

■ 地域包括ケアシステムの推進
■ 感染症や災害に対するリスクマネジメント
■ 自立支援、重度化防止の推進
■ 介護人材の確保、介護現場の革新
■ 制度の安定化、持続可能性の確保

を横断項目と議論が進んでいます。
高齢化率の上昇から災害及びコロナ禍の長期化等の外部環境変化に対応していく必要があるでしょう。

一方、介護事業経営者からすると、3年に一度の報酬改定の対応で頭が痛い方も多いのではないでしょうか。

改定ごとに「点」での対応にならないよう、今後介護業界がどこに向かうのか本質的に捉えることが重要です。

在宅限界を高める

一つの大きなテーマとして「在宅限界をいかに高めるか」という議論があります。

これは、

・療養型病院施設や入所系介護施設からいかに自宅復帰を促すか
・自宅での生活や介護を援助するか

という視点です。

地域包括ケアの理想像には必要不可欠な考えとなっており、
2014年4月の報酬改定より、在宅限界を高めることを踏まえ、
定期巡回随時対応型訪問介護看護の創設等、国をあげて取り組んでいる一方で、

自治体や事業所単位では、限られた予算や人的資源の中で、
いかに効果的に在宅限界を高めるか、頭を悩ますことも多いはずです。

 

細かな加算が足かせに…

介護保険がスタートして、多くの加算が設定されてきました。

サービスコードは約2万5,000件となっており、
1年間算定がなかった加算が34種類(延べ114種類)あったとのことでした。

在宅限界を高めるためには、事業所単体でのサービスには限界があるため、
多くの「連携」が肝になってきますが、その一方で「連携」が上手く取れていない、という話も耳にします。

例えば、

通所介護での生活機能向上連携加算の取得率は、0.7%~2.4%となっており、
できて間もない加算の為認知度は、2/3を超えているが取得率は低迷しています。

その一つの理由には、「連携に関する意識」の問題が挙げられます。

「連携」に関するインセンティブは、
診療報酬でも組み込まれていますが、事業所を動かすほどの力がないことが多いです。
コストパフォーマンスの面も含めて、異業種への積極的な連携打診等にネガティブが事業所も多いはずでしょう。

より充実した介護サービスのために設置された加算が多くありますが、
本来重要なインセンティブが埋もれてしまっている側面もあります。

役割とM&Aの活用

今後は、国の考える地域包括ケアに近づくための改定が続くため、

「地域ごとの地域包括ケアの中でどのような役割を自社が担うのか」

を考える必要があります。

少なくとも多くの介護事業者様が「現状通り」では、
4年後の同時改定で受ける影響に耐えられない可能性が高いと考えています。
5年後、10年後を見据えた経営方針を考え、補完していく必要がありるということです。

その中の戦略として「M&A」のご相談を受けております。
「選択と集中」の手段として、買収や売却のご相談です。

昨今、マッチングサイト等で簡単に情報収集ができるため、
医療・介護業界に限らず一般的に認識され始めているといえます。

買収でいえば、既存事業に紐づく、顧客・人員を含めて引継ぎが可能なため、
スピーディな経営展開が可能です。

一方、M&Aだからこそ気をつけなければならないことも多くあります。

売却でいえば、事業展開のための資金調達や、リスクコントロールの側面があります。
現状での利用者様がいるため、安易な撤退ができないのが介護事業の難しいところとも言えます

当社では、ご相談ベースでの情報収集等でも承っております。
今後、M&Aをお考えでいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

 

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