調剤薬局 NEW

経験談「私の調剤薬局M&Aジャーニー」~第六章~

薬を取り出す男性医師

父から後を継いだ二代目経営者のM&Aの話

第六章「デューデリジェンス」

第一章では、父からの引き継ぎのない事業承継、
第二章では、2代目としての薬局経営の苦悩とM&Aとの出会い、
第三章では、経営の選択肢について、
第四章では、価値算定について、
第五章では、TOP面談について書かせて頂きました。

これまでは、いわゆる机上の空論の段階でしたが、
実際のM&Aというのは「お相手」がいて初めて進められるものです。

「いつかは譲渡するけど…」
「だいたい会社の価値は分かったけど…」

などと自身の頭の中でぼんやり描いていても、
実際に「お相手」がいなければただ絵に描いた餅です。

実際にM&A仲介業者と通してお相手探しをして、実際にお相手が現れるかどうか次第です。

それも、全て「タイミング」です。巡り合わせです。

————————-

余談ですが、
M&A仲介業者によっては、TOP面談をする前に、
着手金などの中間手数料が発生する場合もありますので、
事前にご確認頂いても良いかと思います。

※ちなみに当社は頂いておりません。

————————-

TOP面談が終わり、私はある一社に運命を感じ、
そのお相手と次のステップを進める決断をしました。

 

次のステップは、「基本合意締結」です。
そのお相手との「基本合意書」などの仮契約の意味合いをもつ契約書を締結します。
省略する場合もありますが、一般的には締結して進める流れになります。

M&Aにおける基本合意書は、
譲渡価額、譲渡日、スケジュールなどの整理や、秘密保持、独占交渉権などの記載があり、
双方が本件譲渡を進める意思表示を固めるものです。

これを締結したからと言って譲渡契約が正式に締結するわけではありません。

基本合意書締結後の次のステップとして、
次に買収監査(デューデリジェンス、通称:DD)を実施します。

DDとは、譲受企業が本件の最終判断をするにあたり、
譲渡企業や譲渡事業の実態を把握するためのものです。

DDにおいて、譲渡側は、下記の様な必要資料を用意します。

DDに必要な資料の一例

・定款、商業登記簿謄本、株主名簿、株主総会議事録
・決算書、レセプトデータ、仕入明細一覧、借入金明細一覧、固定資産台帳、土地建物登記簿謄本、許認可関係書類
・社員名簿、給与台帳、社内規定
・土地建物賃貸借契約書、リース資産契約書、保険契約書

DD当日は、必要資料を事前に譲受企業へ提出する場合は、
当日は簡単な資料の確認と、それに基づくインタビューが実施されます。

規模にもよりますが、通常1~2日程度で、実際の薬局店舗の内覧などもある場合があります。

DD当日の出席者の一例

譲渡側:代表取締役や役員など、顧問税理士
譲受側:代表取締役や役員など、公認会計士や監査法人
M&A仲介:担当者

がDD当日に出席します。

インタビューは、細かい税務関係については顧問税理士にご対応頂く事でスムーズに進みます。
それ以外のインタビューは代表取締役(譲渡側の株主など)が主に対応します。

ですので、この時点より前の段階で、
譲渡の可能性がある意向を顧問税理士に告知をして、
協力をして頂く様にしっかりと話し合う必要があります。

場合によっては、その他の顧問士業である、
社会保険労務士や会計士などへの依頼も同様となります。

私の場合のDDは、顧問税理士の協力もあり、丸一日で終えることが出来ました。

DDを振り返ると、必要資料の準備に一番苦労しました。
ある程度会社の資料を整理している必要性をひしひしと感じました。

また、DDをするにあたり、誠心誠意対応をすることがとても重要です。

譲渡側も譲受側も目指しているゴールは同じです。

譲受側はこれから経営をしていく立場として、
全てを把握した上で譲受をしなければ、職員や処方元など関わる方が迷惑を掛けてしまう。

そのリスクを最小限に抑えるために譲渡側は誠心誠意対応することが重要な責任なのです。

DD後の次のステップは「関係者告知」です。

調剤薬局におけるM&Aにおいて、この「関係者告知」は譲渡側にとって非常に大きなステップです。

処方元の先生や職員へどう伝えれば良いのか…

そう考える時間が多くなってきました。

 

第七章に続く

Share This Page

BACK TO LIST