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経営が上手くいっているサービス付き高齢者向け住宅の特徴とは?

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サービス付き高齢者向け住宅を取り巻く環境

2011年に「高齢者の居住の安定確保に関する法律」通称「高齢者住まい法」が施工されてから、全国的にサービス付き高齢者向け住宅の建設ラッシュが始まり、年々増加の一途をたどっているのをご存知でしょうか?

一般社団法人 高齢者住宅協会の発表によると、2015年12月末では5,885棟(191,871)の登録だったのが、2020年12月末では7,764棟(262,021戸)で、法整備直後のラッシュ時には及ばないものの、5年前と比べてもその数は1.3倍の数になっており今後も増えていくことが予想されます。

実際に、やり取りをさせていただく買収意向の強い方々の中にも、「サービス付き高齢者向け住宅といった入居施設の買収を検討している」とたくさんのお声を頂戴しており、介護事業運営における1つのターニングポイントとしてサービス付き高齢者向け住宅のような入居系施設を運営したいと考えている経営者の方が多く存在しているといえるでしょう。

そんな人気のサービス付き高齢者向け住宅ですが、必ずしも運営がうまくいくとは限りません。
今回はそんなサービス付き高齢者向け住宅の運営についてご説明いたします。

最も多く運営されているサービス付き高齢者向け住宅の特徴は?

介護付き有料老人ホームなどと比べて諸々に関わる基準が緩やかで、参入障壁が低いサービス付き高齢者向け住宅ですが、その始めやすさ故に様々な規模のサービス付き高齢者向け住宅が存在します。

皆様の周りには1棟あたり15戸程度の比較的小規模なサービス付き高齢者向け住宅から、1棟あたり50戸程度の大きなサービス付き高齢者向け住宅まで様々な規模のサービス付き高齢者向け住宅があるかと思います。

一方で、安定していて買収先として人気が高い規模のサービス付き高齢者向け住宅は1棟あたり30戸前後の事業所です。

これは、実際にそういったお声を多くいただくほか、統計的にもはっきりと出ていて、2020年12月末の7,764棟(262,021戸)から分かるように、1棟あたりの平均戸数は33.7戸となっております。

理由は主に事業所の損益分岐点が関わっており、1棟あたりの戸数が少なければ少ないほど収益が上げにくく、運営が難しいとされています。

つまり、30戸前後が最も運営のしやすさと収益性のバランスが取れているといえるのでしょう。

実際に、最近15戸前後の比較的小規模なサービス付き高齢者向け住宅を運営される介護事業経営者様から譲渡の相談が増えております。

サービス付き高齢者向け住宅のビジネスモデルと深刻な人手不足

そもそも、サービス付き高齢者向け住宅の基本的なビジネスモデルは,サービス付き高齢者向け住宅の入居者に対して訪問介護や訪問看護といった介護サービスを提供し、
入居者から家賃と介護保険料を受け取ることによって利益を得ていくわけですが、当然入居者の介護度が高いほど利益が大きくなります。

一方で、介護サービスを提供するためにはそのための人員が必要なわけで、

介護度の低い入居者が多いと人件費が下がるが同時に売り上げも下がり、
介護度の高い入居者が多いと人件費が上がるが同時に売り上げが上がる

という一長一短な状況に陥ります。

では、どうすれば良いか?

結論から申し上げると入居者の介護度の平均を3前後にすることであると言われています。

つまり、入居者の介護度の平均が3前後の事業所が【最もうまくいっている事業所】と言われているわけです。

ここで問題になるのが、平均介護度3の入居者を支えるための人員を確保できるのかという事です。

つまり、【現状人手が不足気味な事業者の方】・【人手不足な地域で事業を運営する事業者の方】ほど人員の確保に苦戦し、その結果介護度が低い或いは自立の入居者以外の受入が難しくなってしまうケースが多く存在します。

そうなると上述の通り、収益を確保することが難しくなります。

しかし、裏を返せば人員の確保ができるのであれば収益を確保することは可能のため、【スタッフの確保に苦戦しているサ高住の持主】と【スタッフが確保できているがサ高住を持っていない事業者】との間で事業承継が盛んに行われているわけです。

実際に、当社では上記のように人手不足が原因で収益の悪化した事業所の事業承継を多くお手伝いさせていただいております。中には15戸前後の承継に関わるご支援も実績がありますので、規模にかかわらずお気軽にご相談ください。

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