調剤薬局

診療報酬改定について ~ 経営に与える影響を考える ~

本体部分0.55%引き上げ

年末も近づき、寒さも増してきました。

診療報酬改定の議論も進み、よりいっそうの寒さを感じている今日この頃でございます。

 

顧客の皆様より、「報酬改定どうなの?」とご質問をいただくことが増えましたので

現状のトピックスと私の考えを記載したいと思います。

(私の個人的な思考を含みますので、確実性を保証するものではございませんので、ご留意ください)

 

「本体部分0.55%引き上げ」という記事が各社に掲載されていました。

まだ確定ではないものの、ほっとしている方も多いのではないでしょうか。

ただし、「医科:調剤=1.0:0.3」が維持されるかどうかは未だ議論されていません。

これまでの流れと情勢からいうと、調剤部分が不利に動く可能性も十分あります。

ここは0.55%部分がどう按分されるのか、今後の議論を注視する必要があります。

 

次に細かい点を見ていきます。

 

① 調剤料について

② 後発医薬品調剤体制加算のパーセンテージ

③ 基本料取得集中率のパーセンテージ

 

① 調剤料について

各メディアで「院内調剤・院外調剤の費用負担の違い」が取り上げられていますね。

これは、「医薬分業」を加速度的に進めるインセンティブとして設定をされましたが

分業率が頭打ちになってしまった現状では、意味を持たなくなったのも事実です。

日数等も議論になっておりますが、特に長期処方が多い薬局様や、病院門前薬局様などは注意が必要です。

② 後発医薬品調剤体制加算のパーセンテージ

前回の改定で、ⅠⅡともに10%ずつ引き上げられました。

今回の改定では、どうなるのでしょうか。いろいろな議論があるようですが、私の予想は下記です。

後発医薬品調剤体制加算Ⅰ : 75% 18点

後発医薬品調剤体制加算Ⅱ : 80% 22点

後発医薬品調剤体制加算Ⅲ : 85% 24点

です。どういった体系になるかは不明ですが、使用率のパーセンテージはあがる見込みです。

 

次回改定では、前回改定時に財政審から提案があった基準を超えていなければ、減算されるという案も現実的になるかもしません。

(基本料1取得の要件になる等)

 

③ 基本料取得集中率のパーセンテージ

現在基本料2、3において特定の医療機関からの応需割合(以下、「集中率」という)に関する基準があります。

=====================

基本料2:集中率95%以上

     ※グループ全体で40,000枚/月 以上

基本料3(一部):集中率90%以上

     ※処方箋枚数2,000枚/月 以上

=====================

上記のそれぞれの集中率の引き下げが検討されています。

一律85%なのか、80%なのか、いずれにしてもかなりな痛手になります。

 

仮に年間20,000枚の店舗であれば、41点(基本料1)→20点(基本料2)になった場合

210(円) × 20,000(枚)=4,200,000円の営業利益が

失われることになります。

 

M&Aにおいては、企業価値の算出に営業利益の額を使用しますので

改定の内容ひとつで企業価値が2,000万前後変わる可能性があります。

(類似会社批准方式を使用し、マルチプルを5倍前後で試算をした場合)

M&Aにおける影響

その他の議論でいうと

■かかりつけ薬剤師の施設基準

 (管理薬剤師の在籍年数が半年→1年に)

■居宅療養支援の3段階評価 等

いろんな側面で議論が進んできていますが

 

M&Aにおける影響という側面からお伝えすると、

「譲渡対価回収年数および買収意欲の低下」

「買手企業の買収目線の上昇」のリスクがあります。

 

当然、買手企業の買収資金は、その企業の収益から賄われているものですので

その財源が制限されれば、資金も比例的に減らざるえません。

(借入等も企業の収益を返済原資としていますので同様です。)

 

それらを踏まえ、今後は、

・各企業が「このような薬局様を増やして行きたい」という要望がより明確かつ具体的になる

・薬局のM&Aにおける全体の相場観が低下する

ことが予想されます。

 

また、報酬改定は直接関係ありませんが

業界全体が、ガバナンスやコンプライアンス、CSR等にも非常に敏感になってきています。

今一度、「法律・法令」や「企業」という側面から整理をしていくことが求められているのかもしれません。

報酬改定を知ることで

市場価値でもっとも価値がある薬局とは、「将来性」がある薬局様に他なりません。

 

もちろん、患者様目線、従業員目線、医療機関目線、やその他多くの

ステークホルダーから見た薬局様および企業様を経営者様は重要視しなければなりません。

 

ただ、中長期的にステークホルダーを守るためには、市場がどのように動いていて

市場から何を求められているかを正確に理解する必要があります。

 

将来性のある薬局様、企業様を目指すためには、「診療報酬改定」の動向の把握は欠かせません。

当社でも、情報提供のお手伝いはさせていただいておりので

最新の動向をお聞きになりたい方は是非お問い合わせください。

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