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報酬改定後の調剤薬局M&A概況

改定後の調剤薬局M&A

4月に調剤報酬改定が行われ一層向かい風を受ける薬局業界。
M&Aを検討する経営者は引き続き多い状況に変わりはありませんが、
改定後の今、市場の変化を体感しています。

買収を多く行ってきた大手企業たちが報酬改定のあおりを受け
軒並み苦しい状況に陥っているため、
処方箋枚数や集中率など買手企業が売手企業に求めるハードルが
高くなっています。(所謂、“足切りライン”の上昇)
また、次回以降の改定もにらみ、買収にあたっての投資回収期間を
短くせざるを得ない状態となっています。(買収価格の低下)

一方で、受付回数月4万回以下の企業の買収意欲が増加しています。
これは前調剤報酬下であれば大手企業が買収していたような案件が
中小企業へ流れていることが原因です。
(主に集中率が問題となり、大手企業が買わない事案が多発)
ただそういった企業は大手企業と比べ
資金力や人材補充力に劣る為、譲渡金額の低価格化と
成約まで長期化の傾向も。(M&A経験がなくノウハウがないことも要因)

売手有利な時代が終わりつつあるように感じます。

2017年度の振り返り

下表は、上場大手調剤薬局チェーン5社がM&Aによって買収した店舗数の推移です。

ご覧の通り、昨年度は大幅に買収店舗数が減っていることが分かります。アインHDが今までは設けていなかった閉店目標を掲げるなど、純粋に店舗を増やすことよりも、改定を目前にして企業を筋肉質にする取組が各社でみられました。
また、調剤をメインとしていた企業だけでなくドラッグをメインとする企業が積極的に調剤薬局の買収を進めるなど、買手企業の属性バリエーションが広がったことも要因でしょう。

一方、下グラフの通りM&Aの件数が減っていたわけではありません。

グラフが示す通り、各社成約件数が増加している傾向にあり、決してM&Aにブレーキがかかっているわけではないことが分かります。

これらのことから、大手企業の買収ハードルが高くなり、
慎重な投資判断をしていると言えるでしょう。

2018年度の大手企業M&A戦略について

各社の決算説明資料を確認すると
M&Aに対する積極性に大きな差を感じました。

アインHDやクオールはM&A出店計画70店舗を掲げており、引き続き積極的な姿勢を打ち出していましたが、その他の企業についてはM&Aによる出店数を打ち出しておらず、良いお話であれば随時検討する程度の姿勢であり、今までと比べ消極的な印象を持つ企業が殆どでした。

非上場大手企業は、上場大手と比べると引き続きM&Aを積極的に行っている印象です。ただし、いずれの企業も体質改善を進めており、改定前に比べると求めるハードルが上がっていることは確かです。

最後に

以上、私たちアドバイザーの感じる変化や状況をお伝えしてきました。

売手側が買手を選ぶのではなく、
買手側が売手を選ぶというような時代に入りつつある今、
第三者への承継を考える経営者の皆様におかれましては、
適切なタイミングで経営判断をしていただく必要があると、
強く感じた次第です。

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