介護施設

訪問介護業界のM&A概況

患者に話しかける看護師

訪問介護業界の現状

  • ご自身の引退を考えられているが、後継者がいない
  • 体調に問題を抱え始めているが、引き継げる人がいない
  • 会社が好調のうちに、アーリーリタイアしたい
  • 従業員のために、雇用状況を改善してあげたい

実は、在宅介護の業界でもこれらのお悩みは、
M&Aによって解決が可能です。

選択肢の一つとして、M&Aは有効な手段であることを、
このコラムでご認識頂ければと存じます。

そもそも訪問介護とは 

訪問介護とは、ケアワーカーやホームヘルパーが、
非介護高齢者の住宅等にを直接訪問して、
生活支援を行うサービスです。

※訪問介護を利用するには、要支援1~2、要介護1~5であることが条件になります。

 

業界の現況 

介護業界全体で、2005年時点では6兆円規模の市場でしたが、
2025年には20兆円を突破するとまで言われている成長市場です。

これは、高齢化の影響が大きいと思われます。

一方で、参入障壁がそこまで高くないため、
異業種からの参入や新規立ち上げが相次ぎ、
全国で介護事業者が乱立している状態になっています。

その中でも、
訪問介護、通所介護(デイサービス)、短期入所介護(ショートステイ)等に代表される在宅介護業には、
小規模事業者の割合が多いと言われており、
営業・資金力に限界があるため、
相次ぐ外部からの参入によって競争が激化する中で経営難に陥っている会社が少なくありません。

 

訪問介護業界のM&Aの動向

新規参入者が相次ぎ、
次第に競争が激しくなっている介護業界ですが、
今後の高齢化による高齢者の増加を考えると、
潜在的な市場は非常に大きく、
既存事業者による新規開設や合併、
異業種からの新規参入が活発です。

一方で、慢性的な介護人材(資格)不足、
競争激化による施設の利用者減、
介護報酬制度等の将来的な不安、
業績が堅調なうちに他社(特に大手)への売却を決断する経営者様も増えてきています。

現在、ある程度の売上規模の訪問介護事業については、
比較的買い手が多く存在する状況にあり、
売却を考えている経営者にとってはよい売り時になっているといえます。

 

訪問介護業界M&Aのメリット

訪問介護に限らず、在宅介護事業者のM&A・売却・譲渡は、
売り手と買い手の双方にとって、
以下のようなメリットがあります。

 

売り手のメリット

従業員の雇用を維持/向上させるできる

しかし経営的に厳しい事業者の多い業界でもあり、
経営不安を抱えたまま事業を展開して、
従業員のモチベーションは上がらず従業員が退職する、
という負のスパイラルが生じるケースも存在します。

M&Aにより企業を売却し、大手の傘下入りすることで、
少なくとも従業員は勤務先の経営や雇用に対する不安感を払しょくすることができます。
また大手企業は小規模事業者に比べて、従業員の給与や待遇が上回るケースが殆どです。

後継者問題が解消する

高齢化社会が到来を背景に、訪問介護事業に参入する事業者も増加しています。
しかし事業の経営者自身にも高齢化が迫っています。

子供などの身内が事業承継の意欲があれば、後継者問題も解消します。
しかし厳しい経営状況や労働条件などから、
身内には引き継がせたくない、という方も存在します。

訪問介護事業者は従業員や利用者など、
多数の関係者が関与しており、廃業という決断は簡単にできません。
M&Aで企業を売却する、という選択肢は後継者問題解消のための大きな選択肢となりえます。

参考記事:https://masouken.com/%E3%83%87%E3%82%A4%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%BB%E8%A8%AA%E5%95%8F%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E3%81%AEM&A

大手傘下で安定した経営ができる

M&Aで企業を買うのは殆どの場合、売り手企業より規模の大きい企業です。
企業を売却し大手企業の傘下入りすることで、
経営の独立性はなくなりますが、
企業としては経営の安定を手にすることができます。

経営が安定することで、従業員の雇用維持や待遇改善も可能ですし、
必要な物品の購入や設備投資も可能となります。

また利用者側も安心してサービスの利用ができるため(特に新規利用者)、
大手傘下入りを経営安定化の契機とすることができます。

譲渡収益での創業者利益を獲得できる

M&Aによる企業の売却は、オーナーである企業経営者にとって、
保有株式の現金化につながります。

金額の過多は事業規模、財務内容等ケースバイケースです。
しかし財務内容の悪化などがなく事業として成立している場合であれば、
殆どの場合でキャピタルゲイン(株式売却益)という形で創業者利益を確保できます。

未上場企業の場合、オーナー経営者の保有株式の現金化の機会は殆どないため、
M&Aはオーナー経営者にとって貴重な株式売却の機会です。
尚、創業者利益には、これまでの経営の労苦に報いるため、という観点に加え、
事業を売却した後の経営者の生活資金確保、
という側面もあります。

借入金の個人保証や担保を解消できる

訪問介護事業者の場合でも、
自動車などの設備投資や従業員の給与支払いのための運転資金確保のために、
銀行などから借り入れを行っているケースも多いといえます。

借り入れを行う際は、
銀行などから経営者による個人保証や担保提供を求められるケースが殆どであり、
経営者個人に対しては相当のプレッシャーがかかります。

企業を売却することで、借入金に対する保証や担保提供は買い手企業が行うことになります。
企業売却によりオーナー経営者は経営というプレッシャーのみならず、
個人として行っていた保証や担保提供からのプレッシャーからも逃れることができます。

 

買い手のメリット

有資格者を一括で確保できる

M&Aで買い手となる企業であっても、
介護事業者は業界全体が慢性的な人手不足であり、
問題を抱えている企業が少なくありません。

訪問介護事業者を買収することは、
直接的な事業規模拡大につながりますが、
有資格者を一括で確保できる、というメリットも存在します。

求人広告を出すなどして採用活動を行う、という手段に比べ、
M&Aで企業を買収することは、一括で有資格者を確保できる、
という側面もあります。
よって人材確保の観点から、M&Aを活用する事業者も存在します。

事業拡大のスピードを上げることができる

高齢化社会の到来により、訪問介護事業者に対するニーズは拡大中です。
しかし大手事業者であっても、
新たに拠点を設けゼロベースでサービスを立ち上げるには相当の資金と時間がかかります。

M&Aは“お金で時間を買う”という側面があります。
既に顧客を有する介護事業者を買収することで、
買い手企業はゼロからサービスを立ち上げるよりも、
リスクを抑えてスピーディーな事業拡大を果たすことができます。

訪問介護業界のM&Aでおさえておくべきポイント

一般の民間事業と異なり、介護保険料からの収入が多くを占める介護保険業界においては、
M&A時に独自の押さえるべきポイントがあります。そのポイントを4点ピックアップしました。

  • 行政の手続きや折衝
  • 人員配置や建築基準などの適正性
  • 有利なスキームの検討
  • 優秀な“有資格者”の継続雇用

下記でそれぞれについて解説いたします。

 

訪問介護業界特有の留意点を理解する

行政への手続きや折衝

介護保険制度では、
法人の認可や施設の開所、
監査権限は行政(市区町村)が有します。
介護保険事業を行うための法人及び各事業は、
全て行政への届け出が必要です。
行政への手続きがなされなければ、
事業を行うことも保険請求することもできません。

よって訪問介護事業のM&Aの際も、行政への手続きや折衝が必要です。
特に売却側企業の事業を組織再編などで形式上別法人とする場合は、
行政への手続きが煩雑となる可能性があるので注意を要します。

スムーズなM&Aを進めるためには、行政側との十分な折衝が必要不可欠です。

参考資料:
『介護ビジネスの動向とカラクリがよーく分かる本』(秀和システム)32p

人員配置や建設基準などの適正性

介護保険事業を行うには、
指摘基準(人員、施設、運営等)の条件を満たす必要があります。
指定基準未達のまま事業を行った場合は、介護報酬の不正請求となり、
報酬返還や事業者指定の取り消しなどの処分がなされます。

M&A後の事業展開において人員再配置や設備投資を行う際は、
該当する市区町村の指定基準に合致しているかの確認が必要不可欠です。
特に多数の地域で事業展開を行う場合は、
地域によって指定基準が異なる場合があるので注意を要します。

参考資料:
『介護ビジネスの動向とカラクリがよーく分かる本』(秀和システム)33p

有利なスキームの検討

病院のM&A程ではなくとも、
介護事業者のM&Aは行政への対応が重要です。
被買収側(売却側)の事業について事業譲渡で企業再編を行う等、
通常の企業で採用されるM&A後の組織再編が、
訪問介護施設のM&Aでは行政の指定基準の関係から、
逆に非効率となる可能性もあります。

経済合理性の追求は当然必要ですが、
行政の規制を踏まえた上で、
M&Aにおける有利なスキームの検討が必要です。

優秀な”有資格者”の継続雇用

訪問介護事業者は企業の大小問わず、慢性的な人手不足です。
M&Aを行うことは、有資格者の大量の確保にもつながります。

しかしながら買収後に被買収側企業から有資格者の退職が相次げば、
買収を行う効果も半減します。

人手不足を背景に、訪問介護業界では特に人材の確保が重要視されます。
M&A後に被買収側企業の人材(有資格者)が継続的に働き続けることのできる条件提示や環境整備が、
他の業界以上に重視されるといってよいでしょう。

売却理由を明確にする

業界に限らず、売却の理由を明確にせずに、
譲渡のお話を進めていってしまうと、
譲受候補企業から条件を提示されても、
「どれがいいのか」という基準がなく、交渉や検討期間が長引き、難航してしまうこともございます。

お問い合わせを頂く際には、
完全に明確になっている必要はございませんが、
譲受企業様にアドバイザーが話を持っていく際には、
ある程度固まっている必要があります。

 

介護業界専門のアドバイザーにお問い合わせがおすすめ

訪問介護に限りませんが、上記のポイントは、
介護業界でM&Aを行う場合において理解が必要です。

しかし、全てをしっかりと理解する・実行するには、
相当の労力がかかってしまいます。
当社では、介護業界専門のアドバイザーが在籍しておりますので、
まずは無料でお問い合わせくださいませ。

お客様がご納得されるまで、担当者がお話をさせていただきます。

売却に関する相談をする

 

訪問介護業界の譲渡価格の相場

譲渡時の価格に関しては、売上はもちろん、
借入金や従業員の数・利用者の数などさまざまな指標が用いられます。

そのため、明確な相場感はございません。

しかし、貴社が譲渡をお考えの場合、
どれくらいの価値がつくのかというものを、
専門のアドバイザーが算定することは可能です。

こちらの、「価値算定」は無料で行わせて頂いておりますので、
ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。

売却に関する相談をする

最後に

上記でも記載したように、
介護業界全体が、高齢化の本格化により、将来市場規模が拡大することが見込まれています。

そのため、2018年も多くの新規事業者や参入者が介護事業の立ち上げ、M&Aを実施しました。

この流れは今後も止まることなく進むと予想されております。
これにより、中小企業の乱立状況が解消され、大手に吸収されていくという構図になるかと存じます。

赤字になって価値が下がってしまう前に、
M&A市場が活性化しているうちに譲渡してしまうという
経営者様も多くなって参りました。

多くの選択肢の中で、M&Aは「現実的」な選択肢になり、
今後もその傾向は顕著になっていくでしょう。

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