調剤薬局

調剤薬局業界の現状

薬を取り出す男性医師

優勝劣敗構造

まず、調剤薬局業界がどのように発展し、現在どのような環境になっているかを説明していきたいと思います。

調剤薬局業界の現状は、一言で言えばカオス状態といえるかもしれません。混沌としていて先行きが読みづらくなっています。

これまで調剤薬局市場は拡大し続けてきましたが、最近では拡大した医薬分業の是非が問われたり、技術料が高いといった指摘を受けたりしています。

超高齢社会が進む今、医薬品市場は今後も拡大していくと予想されますが、薬局は単に調剤するだけではなく、地域に根差した薬局づくりをすることや、在宅医療への参画、高度薬学管理機能への取り組みが求められる時代になっています。

薬局が多すぎるという議論もあり、2018年4月の改定の影響で、閉店に追い込まれたところもあります。

結果として、これから「優勝劣敗構造」が進んでいくのだと思われます。もちろん単なる赤字だけではありません。

人材確保の困難さや競合店の進出など、様々な要因があります。
しかし確かなことは、こうして閉局したところがいままで確保していた売上は、残っている店舗に付加されるということです。

つまり、残存者利益を得られるということになります。

2016年と2018年のショック改定

2016年と2018年の改定は、薬局業界にとって非常にインパクトの大きな調剤報酬改定でした。仮に利益率が約2ポイント下がった場合を考えてみましょう。

売上100億円で5%の利益なら5億円です。
それが2ポイント減で3億円になります。
減った分の2億円をカバーするためには売上を70%伸ばさなければなりません。

つまり、売上が170億円になって、その利益が3%であれば5億円に到達します。これは到底実現できることではありません。

加えて、仮にこの売上目標を運よく達成できたとしても、チェーン調剤薬局には、処方箋枚数や店舗規模によるマイナス査定がありますから、単純に売上7割増を達成したからといって、必ずしもカバーできるとは限りません。

 

薬局のタイプは3種類から4種類へ

また、これまでの薬局の種類は3つに集約されると思います。

1つは門前薬局や開業医のマンツーマン薬局、
2つ目がドラッグストア、
3つ目が街の中にある、いわゆる街なか薬局です。

2016年10月以降、この3タイプに加え敷地内薬局ができ、
4タイプの薬局で競合していかなければならなくなりました。

 

5つの調剤基本料

基本料は現在、5つに分かれています。

最も点数が高いのが「調剤基本料1」で、これに入らないと、ほかの加算点数はなかなか取りづらい仕組みになっています。
そのほか基本料2、基本料3-イ、基本料3-ロ、特別調剤基本料があります。特別調剤基本料に入るのは敷地内薬局で、これだと10点にしかなりません。一方、基本料1なら41点になります。

基本料2は、処方箋の受付が月4,000回超かつ集中率が70%超のもの、あるいは、処方箋の受付が2,000回を超えて、かつ、集中率が85%を超えたもの、または特定の医療機関からの処方箋の受付が4,000回を超える店舗で、25点になります。

基本料3-イは、同一グループで月4万回超40万回以下の処方箋を集めたところで20点、基本料3-ロは、月40万回超で15点です。敷地内薬局は前述したように10点です。 

医薬分業が進んでいく過程で「絶対に医薬分業にはしない」と言っていた医師も多数いました。

しかし、世の中の趨勢には抗えずに医薬分業に踏み切った医師も多く、現在の分業率は70%を超えるものとなりました。

患者さん側に立つと、敷地内薬局は、医療機関から近く、しかも安くなるので、今後、好むと好まざるとに関わらず増加していく
のではないでしょうか。

地域支援体制加算の新設

先ほど、基本料だけでなく、それによって他の加算への影響があると説明しましたが、例えば、従来の基準調剤加算が4月からは名称が変わって地域支援体制加算となり、点数が従来の32点から3点上がって35点になりました。

この地域支援体制加算は、従来の基準調剤加算の要件に加えて、基本料1の薬局なら3項目達成するだけで取れます。

①麻薬小売業者の免許を受けている、②かかりつけ薬剤師指導料または包括管理料の届け出をしている、③直近1年間に在宅業務の実績がある、という3つの要件を満たせば35点加算されます。

しかし基本料2では、地域医療に貢献することを示す実績8項目をクリアしないと加算算定できない上、必要項目の難易度がかなり上がります。

例えば、基本料1の項目の麻薬小売業の免許取得は届け出をすれば取れます。

一方、基本料2の薬局では、麻薬指導管理加算の実績が常勤薬剤師1人当たり年間10回は必要になります。他の項目に関しても、夜間休日の対応実績やかかりつけ薬剤師の指導料など、大きな負荷がかかります。

こうしたことは、患者さんの負担金にも反映されます。

例えば、基本料1の薬局なら基本料が410円です。
それに35点の地域支援体制加算が付くと、両方合わせて760円です。

基本料3の薬局なら基本料は200円で、地域支援体制加算がないと合計200円です。

同じ処方でも、薬局によって760円と200円という価格になり、560円の差が出ます。同じ処方箋1枚で560円の技術料の差は大きなものです。

一方、患者さんは3割負担なので、基本料1の薬局なら230円の負担、基本料3の薬局なら60円の負担となり、その差は170円になります。

2016年改定では規模の格差で点数が変わり、さらに2018年改定で、その傾向が拡大されました。つまり、“2回のショック”が起こったのです。調剤だけでは生き残れない時代に入っています。

 

おわりに

こうした状況を踏まえ、お悩みの経営者がいらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせください。

あなたのお悩みにとことん向き合います。

 

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