介護施設

介護事業M&Aのトレンド

現在の介護事業M&Aの状況

2018年度の介護報酬改定の影響も落ち着き、
次の報酬改定に向け、議論が行われております。

このような状況下で、介護事業のM&Aは現在どのようなトレンドなのか
について記載していきます。

【現在の介護事業M&Aトレンド】

①デイサービス事業は規模が大きくなるほど人気
②総量規制対象のグループホーム、介護付有料老人ホームは人気
③住宅型有料老人ホーム、サービス付高齢者住宅は立地、規模次第
④訪問介護については従業員が鍵に
⑤訪問看護は今後の需要から人気

それぞれについて詳しく見ていきます。

①デイサービス事業は規模が大きくなるほど人気

デイサービス事業については、小規模の事業所の赤字割合が高く、
事業規模が大きくなる程、赤字割合は低くなるというデータが示されております。

つまりは、規模が大きくなるほど経営効率が良いと考えられます。

また、利用者の定員数がある事業のため、
売上の規模を拡大する目的におけるM&Aの場合、
定員数が多い事業所がやはり好まれます。

買手側としても、規模の大小に関わらず、買収の判断には労力を要するため、
大規模の事業所に労力を割きたいという傾向もあります。

小規模事業所の数は他の介護業態に比べても多く、売却の相談を多く頂きます。

そのため、買収を希望する法人よりも売却を希望する法人が多く、
希望の金額に届かない、買手が見つからないケースもあります。

特に、経営状況が悪化してから相談を頂いた場合、
上記の状況に陥りやすくなります。

以上のように、デイサービス事業のM&Aにおいては、
小規模よりも通常規模、大規模の事業所が好まれるという状況になっております。

②総量規制対象のグループホーム、介護付有料老人ホームは人気

グループホーム、介護付有料老人ホーム(いわゆる特定施設)については、
新規での開設が難しい状況のため、M&Aにより事業を拡大していきたいという法人様が多くいらっしゃいます。

そのため、これらの業態に関しては買手がつきやすく、価格も伸びやすい傾向にあります

しかし、この業態に関してもやはり規模が重要になり、グループホームでは1ユニット、介護付有料老人ホームでは定員数が少ない事業所などは価格が下がることが有り得ます。

③住宅型有料老人ホーム、サービス付高齢者住宅は立地、規模次第

上記の業態に関しては、
規模が大きく立地が良いものほど価格がつきやすいのは当然のことながら、土地建物付きでの売買なのか、訪問介護を内部で提供しているのか、利用者の要介護度など様々な要素で判断されます。

④訪問介護については従業員が鍵に

訪問介護の場合は、利用者が従業員の方に紐づいているため、
M&Aした後に従業員の方に残ってもらえるかが重要になります。

また、居宅介護支援や福祉用具貸与などの事業を運営する法人が事業との相性を考え、訪問介護事業の買収を検討するケースが多いように思います。

⑤訪問看護は今後の需要から人気

訪問看護については、医療・介護の連携、看取りの数の増加促進という国の方針から今後も伸びていく事業という捉え方がされております。
そのため、訪問看護事業を買いたいという法人は比較的多い傾向にあります。

医療法人や、薬局を運営する法人などが買手となるケースもございます。

一方で、売却する方の理由としては、人員の部分に起因している場合が多く、
人員配置基準や看護師さんのマネジメントなどで苦労しているという相談が多く寄せられます。

以上が、簡単ではございますが介護事業M&Aのトレンドでございますので、
参考になれば幸いです。

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