調剤薬局

調剤薬局M&A相場について

薬を取り出す男性医師

薬局M&Aの相場はどうなっているのか

調剤報酬改定前の半年間は、
毎度薬局のご譲渡に関するお問い合わせが多くなります。

今回も例外ではなく、おかげさまで多くのご相談をいただいておりますが、

どちらのお客様からも「調剤薬局M&Aの相場がどうなっているのか」というご質問をいただきます。

というのも、前回改定からの2年経ち、
「薬局の売買価額が下がっているという肌感覚」を持たれている方が多いようなのです。

今回は実際に相場がどのようになっているのかをご紹介します。

上がっているか、下がっているか、変化なしか

ここで一度、皆さんにも想像をしていただきたいと思います。

調剤薬局M&Aの相場は果たしてどうなっているのでしょうか。

M&Aアドバイザーである私は、
肌感覚としては相場が下落傾向にあるというように感じていました。

それは(特に)大手調剤薬局企業からの価額提示が下がっていたり、
お断りをされることが多くなっているためです。
その最も大きな原因が「調剤基本料3」の存在でしょう。

受付回数が月4万回(3のイ)、あるいは月40万回(3のロ)以上の
調剤薬局グループが運営する集中率が85%以上の薬局が算定する基本料ですが、
基本料1(41点)に比べて基本料自体が下がるだけでなく(3のイで20点、3のロで15点)、
地域支援体制加算(35点)の取得が非常に困難になります。

そのため、そういった規定にかかる大手企業が、
集中率の高い薬局を買収してしまうと、
最大で処方箋受付一回当たり61点失うことになるため、
お断りを受けたり評価が下がったりするのです。

そんな状況ではありますが、
以前は大手調剤薬局チェーンの影に隠れていてなかなか買収ができなかった、
地場中堅企業や中小企業から価額ご提示いただく機会が増えました。

しかし、地場中堅・中小企業からの価額提示が多くなってきたタイミングで、
新たに起こってきた問題が、理論上の評価に予算が届かないという事象。

つまり、
“どれだけ売手買手が意気投合しても、銀行の融資が下りなければ買えない”
ということが多く起こるようになりました。

そんなことから下がっているイメージを持っていました。

実際はどうなのか

当社のご成約実績を、

・前調剤報酬下(2016年4月~2018年3月)
・現調剤報酬下(2018年4月~2018年9月時点)

に分けて集計した結果は、意外なものでした。

それは、ご成約案件の譲渡価額(相場)が上がっている結果だったのです。

しかし、集計を進めるとに以下の結論が導き出されました。

「譲渡価額は必ずしも下がっているとは言えないが、
一方で、より収益力がシビアに見られるようになった。」

どういうことかというと、
全体で見ると譲渡価額は微増傾向にあるのですが、
買手から求められる収益力も増加傾向にあるということです。

つまり、以前より質を求められるようになった結果、
少し譲渡価額が上がったということです。

また、「全体で見ると」というように記載しましたが
案件の規模によって実は明確に異なります。

買い手企業様にもよりますが、譲渡対象の店舗数が1~4店舗ほどのお話であると、
各店舗の収益力や、調剤基本料1維持の可/不可がより見られるようになっている代わりに、
譲渡価格も微増傾向にあります。

しかし、譲渡対象が5店舗以上になってくると、以前より売買価格が低下している傾向にあります。
これは、複数店舗運営していると、その中のすべてが調剤基本料1を維持できる集中率であることは稀であり、
基本料3になった場合の収益力を想定して売買価格が決まっているためです。

まとめ

以上のお話をまとめると以下の通りです。

・買手企業にもよるが、求める収益力は増加傾向にある。
・特に大手企業は調剤基本料1の維持を重要視している。
・高くなった各社の買収基準をクリアすれば、前調剤報酬下と比べて同等あるいはそれ以上の評価がなされている。
・地場企業が買い手となる場合、銀行融資が論点となることが多い。

現在は、大手企業だけが低い点数となる調剤報酬となっています。
次回の調剤報酬改定で、より大手企業に対して厳しい改定内容となった場合には、
求められるハードルがより高くなるでしょう。

逆に中小薬局が大手企業と同じ調剤報酬となった場合には、求められる収益力というよりも、
薬局M&A全体の売買価額(相場)が低下すると考えられます。

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