調剤薬局

経験談「私の調剤薬局M&Aジャーニー」~第五章~

薬を取り出す男性医師

父から後を継いだ二代目経営者のM&Aの話

第五章「価値算定」

第一章(https://www.cb-p.co.jp/column/7697/)では、父からの引き継ぎのない事業承継、
第二章(https://www.cb-p.co.jp/column/8099/)では、2代目としての薬局経営の苦悩とM&Aとの出会い、
そして第三章(https://www.cb-p.co.jp/column/8537/)では、経営の選択肢について書かせて頂きました。

経営の選択肢から「選択する」と「削除する」は表裏一体で、
私は、どちらの観点においても、M&Aという選択肢を見極めるという想いで、まず一歩を踏み出しました。

最初の疑問は「会社(薬局)の価値はどの程度あるのか」でした。

その疑問をクリアにすべく、某M&A仲介業者に「価値算定」の依頼をしました。

当社も顧問税理士と毎月バランスシートを見ながら経営状況を把握していましたし、
負債はあるものの、売上と利益はあり、対前年と比較しても微増している様な状況でした。

ただ、価値算定となると、薬局業界に変動や様々な要因を踏まえた算定となるので、
専門家である第三者に依頼をすることは、これだけでも十分に価値のあるものだと思います。

【価値算定に関わる要因(例)】

①事業の将来性(処方元医師の年齢、後継者、所在地etc)
②運営・収益の効率(診療科、集中率、加算・届出etc)
③初期投資(人員補充、設備、不動産売買etc)

これらの要因を踏まえた第三者による価値算定となるので、
BSやPLなどの財務資料だけはない気づきを多く得ることが出来ます。

そして価値算定には、ある程度の必要資料があります。

【価値算定に関わる必要資料の一部(例)】

①決算書(直近3期分)
②レセコン資料(直近3年分)

これらの【必要書類】と【様々な要因】を組み合わせ、仲介業者からのヒアリングによる確認作業などで、
約1週間から2週間程度で価値算定は完了します。

価値算定報告を受けた私の率直な感想は「こんなものか」でした。

ただ、そのギャップの根拠となる内容は全て理解できるものでした。

その価値を上げていくことも考えましたが、
厳しくなる薬局業界の中で価値を上げることは並大抵の努力だけでは難しく、
外部要因に大きく左右される薬局ビジネスにおいては、
価値は上がるよりも減少傾向になっていることも現実としてあることを認識しました。

私の次の疑問は「この会社を譲り受けてくれるお相手は果たしてどれだけいるのか。
それともお相手はおらず私のM&Aの選択肢は虚構となるのか」でした。

私はM&A仲介業者にお相手探しの依頼をしました。
お相手探しは1週間で数社見つかることもあれば、1か月で1社のみの場合など、様々です。

M&Aは所謂マッチングであり、売りたい方が居てもお相手がいなければどうしようもありません。
お相手に意向にマッチした案件(薬局)でなければならず、まさにタイミング次第です。

幸いにも当社を譲り受けたいというお相手が手を挙げて頂きました。
素直にホッとしたことを覚えております。

お相手が出来てたことで私のM&Aの一気に現実味を帯びてきました。

これまで、私自身の頭の中と、仲介業者からの情報のみでのM&Aでしたが、
当社と求めてくれるお相手が出てきたことで、私自身がより真剣にM&Aを考えることになりました。

そして私はお会いすることを決めました。

M&Aにおける経営者の最後の重要な責務であるお相手の選定です。

薬局に関わる全ての方がをハッピーになれること、
そして私自身の意思や気持ちを受け止めてくれる相手を選定しなければなりません。

第5章を振り返ると…

M&Aはまさに「タイミング」だと改めて感じました。

価値算定をして自社を第三者の観点から把握する。「己を知る」ということはとても重要だと思いますが「いつかM&Aする」などとM&Aの選択肢の先延ばしにしてしまうとタイミングを失ってしまうかもしれません。

M&Aの選択肢を失う前に、その選択肢を見定めておくことは、経営者にとって、そして支えている職員らにとっても、さらに地域医療にとても大切な事だと思います。

第六章に続く

譲渡に関する相談をする

Share This Page

BACK TO LIST