調剤薬局

変化する調剤薬局M&A

薬を取り出す男性医師

今までのM&A

今回は、調剤薬局の「今までのM&A」「今のM&A」「これからのM&A」について考えてみたいと思います。

調剤薬局M&Aについては、「ある程度再編が進んだ」と考えている方がほとんどです。
調剤薬局数についても、2018年→2019年にかけてついに減少見込みとなっています。

分業元年である1974年から46年が経過しました。

医療法改正により一人医療法人が認められ、40代前後の医師による開業ラッシュが、1980年代後半。
そこから遅れて薬局の開業ラッシュとなります。

薬局を開業する薬剤師として最も多い年齢層は、30代~40代となりますが、
当時開業した経営者様が世代交代の時期に差し掛かっていることも、再編が進んでいる要因です。

2000年代に入り、調剤薬局チェーンの上場が相次ぎ、そこからさらにM&Aが加速していきました。

今年度の報酬改定を含め、2年に一度の報酬改定により、
調剤薬局全体での収益率は低下し、業界全体への不安感は年々強くなってきています。

今のM&A

世代交代、業界不安等の背景が重なり、
これまではかなりのスピードでM&Aが進んできましたが、大きな変化を迎えようとしています。

それは、薬局経営者が抱えるリスクが大きく変わってきています。

変化①:災害や環境によるリスクの上昇
変化②:薬局の在り方の多様化

が挙げられます。

現状、影響①:コロナ禍や災害によるリスクが、目下注目されていますが、
実は影響②:薬局の在り方の多様化が薬局業界を大きく変えていこうとしています。

7月末現在のコロナ禍においては、4月以降の長期処方化や診療控えによる減収減益はもちろん、
仕入支払等のバランスが崩れ、キャッシュフローが悪化している企業様も少なくありません。

薬局という特性上、売上増を行う手段は限られており、
非常に苦しい思いをされている経営者様が多くいらっしゃるのが現状です。

M&Aにおいては、各買手候補企業様のコロナ禍の影響への考察は各社で異なっており、
企業価値・事業価値への明確な影響は、現段階では算定できないことが多いです。

一次的な減収減益なのかどうかは、その薬局薬局によって異なってくるところでしょう。

当社としても、valuation上、どのようにコロナ禍の影響を考慮するかは、非常に難しい問題となっています。

これからのM&A

短期的なコロナ・災害、又は報酬改定の影響は純粋な減収減益ですが、中長期的な影響は異なります。
これからのM&Aは今までより複雑化していくと予想しています。

①機械化やクラウド(電子)・オンライン化の推進

コロナ禍において、オンライン診療・服薬指導や機械化の流れは加速したと言えます。
医師会が反対しているように、本格導入には慎重に議論を重ねる必要がありますが、この流れが止まることはないと思われます。

また、年々増加している豪雨による災害や、今年の梅雨前線停滞による災害等により、
クラウド化について本格検討される経営者様も増えています。

②薬局・薬剤師への教育重要性

地域連携薬局、専門医療機関連携薬局が薬機法改正により導入されました。
オンライン服薬指導や、専門薬剤師等も進んでおり、薬局・薬剤師の在り方が多様化してきています。

また、ドラッグストア大手も調剤薬局マーケットに積極参入しています。
その他まだまだ少ないですが零売薬局や零売薬局と調剤薬局のハイブリッド店等も出てきています。

各薬局、そして薬剤師が自身の役割を認識し、その役割に向けて特化していく流れが強くなっています。

当然、役割が多様化すれば、M&Aにおいても複雑化した薬局の強み弱みを把握し、分析を行っていかなければいけません。
単純な「調剤薬局のM&A」という時代は終わりかけています。

中小企業では、対応できない。

先日、熊本県にて発生した豪雨による河川氾濫がありましたが、やはり中小企業におけるダメージは大きかったと言えます。
一方、大手のグループ企業や資本提携している企業においては、大資本によるメリットを強く感じたという声も聴いております。

教育に関しても、教育費用はもちろん、シフト調整、ノウハウ等についても、
中小企業では現実的に対応が難しいという声もあります。

機械化やオンライン化等も含めて、「大きな変化に対応できるか」が、命題です。

今後の経営方針を検討中の経営者の皆様には、是非一度、企業分析を広い範囲で行ってみてはいかがでしょうか。

 

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