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    青木 祐二

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調剤薬局のM&Aについて、どのようなイメージを持ちますでしょうか?

M&Aという単語には、「乗っ取り」や「敵対的な買収」のようにあまり良いイメージを持たれてはいらっしゃらないかもしれません。
しかし、調剤薬局のM&Aの実情は、ほとんど敵対的な買収は起こりません。
逆に、後継者(事業承継)問題や人手不足、経営への疲れ、従業員の待遇改善等、譲渡側の希望に沿ったものを解決するための施策として行われることが非常に多いのが特徴です。

本ページでは、調剤薬局のM&Aの業界動向やポイントを調剤薬局M&A成約件数日本No.1のCBパートナーズがご紹介させていただきます。

 

調剤薬局業界の基本情報

調剤薬局業界の基本的な動向としては、下記4点を抑える必要があります。

  • 調剤報酬の仕組み
  • 薬価制度の改革
  • かかりつけ薬剤師や薬局
  • 薬局グループの経営難

調剤報酬改定後の薬局業界の現状 Current status

業界定義

調剤薬局とは、薬剤師が調剤を行い、販売または授与する施設のことを指します。 

調剤以外でも、既製の医薬品や一般雑貨の販売も行っている施設も多く、営業時間内には薬剤師が常駐していることが必須となります。また、業界としては日本の調剤薬局市場全体でも、大手チェーンのシェアは小さく、中小規模の調剤薬局が乱立している状況のため、調剤薬局の経営者自らが薬剤師として現場に立っていることも多いです。

調剤報酬の仕組みについて

調剤報酬は大きく分けて、①調剤基本料、②調剤料、③薬学管理料、④薬剤料・特定保険医療材料料から構成されています。

①調剤基本料
調剤基本料は処方箋の受付け毎に算定できる点数であり、施設維持手数料として位置付けられます。医療機関における初診料や再診料のイメージです。

②調剤料
調剤料は医薬品の調剤に対する手間賃との位置付けであり、内服薬、頓服薬、注射薬、外用薬毎に剤数や日数によって算定方法が異なります。また数種類の医薬品を服用時点毎にまとめる一包化、時間外・休日の調剤などの場合は別途加算が付きます。

③薬学管理料
薬学管理料は薬剤師が薬学的な知識を用いて患者を指導した際に付けられる点数であり、薬剤師の力量が問われる項目です。また薬学管理料には、薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料(2016年度より導入)、外来服用支援料などがあります。

④薬剤料・特定保険医療材料料
薬剤料は医薬品の価格です。薬価基準で各医薬品の価格が決められており、薬局は薬価基準に基づいて薬剤料を算定します。また特定保険医療材料料は在宅などで利用される医療・衛生材料のうち、価格が決められており医療機関が算定する処置量などとは別に算定できる医療材料です。インスリンやホルモン剤を自己注射する際に使われるディスポーザブル注射器などが該当します。

高齢化社会の進展とともに医療費も高騰しており、政府は調剤報酬の引き下げを意図しています。2018年度の改正で調剤報酬は実質的に0.13%のマイナスとなりました。また薬価も大幅に引き下げられており、今後も政府は限られた財源の中で、調剤報酬の引き下げは継続すると予想されています。

参考資料:
薬局業界の動向とカラクリがよ~くわかる本(第2版) p52-55

薬価制度の改革について

2018年度に薬価制度の抜本的な改革が行われ、薬価の決め方が大きく変わりました。主な変更点は下記となります。

  • 薬科調査及び薬科改定の頻度変更
    これまで2年に1度となっていた薬科調査及び薬科改定の頻度を毎年に変更(2021年度から)。
  • 効能追加等による市場拡大への速やかな対応
    医薬品の適応疾患が追加されることで対象患者が急増する場合や、市場規模が350億円を超過した場合は、年4回の薬価見直しが可能に。
  • 長期収載品の薬科の見直し及び後発品価格の集約化
    医薬品は、後発品の上市から10年を経過後に後発医薬品の薬価を基準に段階的な引き下げを行うことを決定。また後発品自体も、上市から12年の経過後は原則的に薬価が一本化される。

2018年度の薬価制度の改革により、医薬品の価格は以前に比べ下がりやすい制度が導入されることになりました。

参考URL:厚生労働省保険局医療課「平成30年度 薬価制度の抜本改革の概要」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114381_2.pdf#search=’%E8%96%AC%E4%BE%A1%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%AE%E6%8A%9C%E6%9C%AC%E6%94%B9%E9%9D%A9’ (4p)

かかりつけ薬剤師や薬局とは

厚生労働省は2015年10月に薬局の「かかりつけ化」の推進を目的に、「患者のための薬局ビジョン」(以下、薬局ビジョン)を公表しました。

「薬局ビジョン」ではかかりつけ薬剤師・薬局について、具体的に下記をイメージしています。

  • 服薬情報の一元的、継続的把握
    副作用や効果の継続的な確認、多剤・重複投薬や相互作用の防止
  • 24時間対応、在宅対応
    時間外でも随時電話対応可能
  • 医療機関等との連携
    必要に応じ処方医に対して疑義照会や紹介提案を実施

また、かかりつけ薬剤師について下記の要件を定めています。

  • 3年以上の保険薬局勤務経験
  • 同一の保険薬局で週32時間以上勤務
  • 勤務先の保険薬局に12カ月以上在籍
  • 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定薬剤師の取得
  • 医療に係る地域活動や取り組みへの参加

薬剤師や薬局の「かかりつけ化」は、これまでの調剤のみを行う薬剤師・薬局から大きな変化を要請する内容です。

ただし政府が2025年に向けて進める地域包括ケアシステムの構築の中で、薬剤師や薬局の「かかりつけ化」は必要不可欠なピースとなっています。

こうした機能を促進するために、調剤報酬においてかかりつけ薬剤師指導料などの点数が2016年から新設されました。

資本力のある調剤薬局しか対応ができないケースも生じていますが、個人調剤薬局でも近隣の薬局との連携で対応できるケースがあります。

政府は地域包括ケアシステムの構築に向け薬剤師や薬局の「かかりつけ化」に舵を切っており、薬剤師及び調剤薬局は大きな変化が迫られています。

参考資料:
薬局業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本(第2版) p103

薬局グループの経営難が見込まれる

政府は団塊の世代が後期高齢者入りする2025年への対応として、医療・介護・住まい(生活)を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を進めています。

地域包括ケアシステムでは、医療と介護の連携が重要視されており、かかりつけ薬剤師・薬局制度の導入も、その流れの中にあります。

地域包括ケアシステムの中において、薬局は単に外来患者の調剤を行うのみならず、在宅対応や医療機関等との連携などが求められており、薬局や薬剤師も在宅医療・介護に積極的に参画する必要があります。

よってこれまで通りに外来患者に調剤のみを行う薬局は、地域包括ケアシステムの中では役割が限定され、企業としては経営難に陥る可能性があります。

既に厚生労働省は「患者のための薬局ビジョン」を公表して、かかりつけ薬剤師・薬局の推進に舵を切っています。

単に外来患者に調剤のみを行う従来型のスタイルの調剤薬局や薬剤師は、今後淘汰される時代が間近に迫っているといえるでしょう。

参考資料:
薬局業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本(第2版) p24-25

法人と個人経営の割合について

厚生労働省のまとめでは、調剤の市場規模は2018年時点で約7.5兆円とされています。

そのうち調剤売上高の上位10社で市場シェア約16%を占めています。

尚、16%の中には医薬品卸が経営する調剤部門も入っており、実質的には調剤大手の市場シェアは10~15%と推定されています。

調剤薬局は中小事業社の数が多い状態にありますが、上記から考えると個人経営の中小事業社は、調剤薬局市場の約90%を占める存在です。

よって薬剤師の資格を持つ個人が薬局を開業し、薬剤師兼経営者というスタイルの小規模な調剤薬局が、今も主流となっています。

調剤薬局大手がM&Aなどを活用し業界内の市場シェアを高めつつありますが、調剤薬局市場全体を見れば、中小規模の調剤薬局が大多数を占める状態は当面の間は維持されると考えられます。

ただしかかりつけ薬局・薬剤師制度の導入など、調剤薬局業界は激変期にある中で、大手のM&A意欲は引き続き旺盛です。

また高齢となった薬剤師が経営する調剤薬局の閉鎖も進むと予想されることから、今後は徐々に中小事業社の比率は減少すると考えられるでしょう。

参考資料:
薬局業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本(第2版) p135

調剤薬局業界のM&Aの動向

薬価・調剤報酬改定によって、調剤薬局の収益性が大きく変化してしまうことが特徴です。 

また、後継者不足、人材不足や経営への疲労や経営者の健康状態が譲渡理由になることが増えてきています。 2020年現在の動向としては、調剤薬局のM&Aは最盛期にあると言えますが、少しずつ譲受(買い手)側は慎重に判断するケースが増えてきており、譲受側の買収基準がシビアになってきていると言えます。 

医薬分業が日本で始まったことから、調剤薬局は爆発的に増え、現在ではコンビニエンスストアの数よりも多い調剤薬局が存在します。 しかし、市場の成長率はここ数年横ばいであるため、調剤薬局の譲渡をお考えになる経営者の方は年々増加していると言えます。 

逆を言えば、譲受(買い手)側としては、譲渡希望の調剤薬局が増えることによって、選択肢が広がり基準がシビアになっているとも言えます。この動きは今後も続くと見られ、譲渡側としては、結果的に譲渡競争が激化し、譲渡対価の低下が想定されます。

よって、常に調剤薬局業界のM&Aの動向を知っておくことがM&Aを失敗しないためにも大切なポイントです。
また、動向とともに変化する譲渡の理由を知っておくことも重要だと言えるでしょう。

失敗例や調剤薬局のM&Aを行う理由などの情報についてさらに知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

関連ページ>調剤薬局のM&Aの失敗事例とポイントまとめ
関連ページ>調剤薬局のM&Aが増えている理由と成功のためのポイント

2018年度の調剤薬局業界のM&Aの概要 2018 Summary

2018年度の調剤薬局業界のM&Aの概要 2018 Summary

薬価改定の影響もあり、序盤は様子見の状況が続いていましたが、最終的には調剤薬局のM&A件数は例年並みに落ち着いた印象です。

しかし、先述したように2018年に入り、大手調剤薬局グループをはじめとして、譲受(買い手)企業がM&Aを実行(買収)する基準(目線)を少しシビアにした傾向がありました。

その影響で、少しずつ調剤薬局の平均譲渡対価に影響が出てきており、2016年、2017年であればもう少し価額が付いたであろう調剤薬局が、価額が伸び悩む案件も少なくありませんでした。

実際にどのような買収がされているのでしょうか?
以下からは、CBパートナーズが相談を受けた具体的な事例について解説していきます。

事例1:九州エリアの薬局と大手調剤薬局運営会社のM&A

  • 成約年数
    2020年
  • 譲渡会社/地域
    薬局/九州エリア
    買い手:大手調剤薬局運営会社
  • 課題点
    後継者不在,株式譲渡
  • 概要
    対象会社は九州エリアで1店舗を運営する地場優良調剤薬局企業でしたが、明確な後継者がおらず、従業員の働く環境を考え、大手への譲渡を検討していました。

事例2:中国エリアの薬局と大手調剤薬局運営子会社のM&A

  • 成約年数
    2020年
  • 譲渡会社/地域
    薬局/中国エリア
    買い手:大手調剤薬局運営会社子会社
  • 課題点
    事業譲渡,薬剤師採用難,従業員の退職
  • 概要
    対象会社は中国地方で7店舗の調剤薬局を運営する地場中堅調剤薬局企業でした。
    しかし、薬剤師の採用難と薬剤師の退職が重なったため、薬剤師の人数に余裕のある大手グループに譲渡を検討していました。

事例3:関東エリアの薬局と大手調剤薬局運営子会社のM&A

  • 成約年数
    2020年
  • 譲渡会社・地域
    薬局/関東エリア
    買い手:大手調剤薬局運営会社子会社
  •  
  • 課題点
    事業譲渡,60歳以上,後継者不在,業界の先行き不安
  • 概要
    対象会社は関東で2店舗優良店舗を運営している法人でした。
    後継者不在と長期的な業界不安が重なり、運営する規模縮小のため譲渡を検討していました。

事例4:東海エリアの薬局と地場優良調剤薬局運営企業のM&A

  • 成約年数
    2020年
  • 譲渡会社・地域
    薬局/東海エリア
    買い手:地場優良調剤薬局運営企業
  • 課題点
    株式譲渡,60歳以上,運営状況の悪化
  • 概要
    対処会社は東海エリアで1店舗を運営する調剤薬局運営企業でした。
    代表が高齢であり、運営状況も悪化したことから、引退を考えての譲渡検討していました。

事例5:北海道の薬局と地場優良調剤薬局運営企業のM&A

  • 成約年数
    2019年
  • 譲渡会社・地域
    薬局/北海道
    買い手:地場優良調剤薬局運営企業
  • 課題点
    事業譲渡,不採算店舗の整理
  • 概要
    対処会社は北海道エリアで調剤薬局を含む複数事業を運営する企業でした。
    慢性的な薬剤師不足に加え、運営状況が悪化したため事業再編としての譲渡検討していました。

事例6:関東エリアの薬局と大手調剤薬局運営企業のM&A

  • 成約年数
    2019年
  • 譲渡会社・地域
    薬局/関東エリア
    買い手:大手調剤薬局運営企業
  • 課題点
    株式譲渡,業界への不安,後継者不足
  • 概要
    対象会社は、関東エリアで2店舗の調剤薬局を運営する企業でした。
    後継者不足と業界への先行き不安のため法人ごとの譲渡検討していました。

事例7:関西エリアの薬局と大手調剤薬局運営企業子会社のM&A

  • 成約年数
    2019年
  • 譲渡会社・地域
    薬局/関西エリア
    買い手:大手調剤薬局運営企業子会社
  • 課題点
    株式譲渡,後継者不在,60歳以上
  • 概要
    対象会社は、関西エリアで2店舗を運営する、地場調剤薬局運営企業でした。
    後継者不足と経営者様の高齢化に伴い譲渡を検討していました。

調剤薬局のM&Aの特徴

調剤薬局のM&Aの特徴には大きく分けて下記4点があります。

  • 個人薬局の売り手も多い
  • 大手の調剤薬局でも売り手となる
  • 薬剤師の数は増加傾向にある
  • 製薬会社や卸売会社との繋がりが強い

それぞれ解説していきましょう。

個人薬局の売り手も多い

先に取り上げたように調剤薬局業界は、中小の個人経営の薬局がその殆どを占めています。

よってM&Aの売り手についても、個人経営の薬局が対象となるケースが非常に多い状態にあります。

また1980〜1990年台に創業した調剤薬局は、代替わりの時期が到来しています。

かかりつけ薬局・薬剤師制度の導入など、経営環境が厳しくなる中で、薬剤師が個人で経営する中小規模の調剤薬局が売却を決断するケースも増加しています。

他業界の場合、個人経営の企業は規模の観点からM&Aの売り手の対象としては除外されるケースが多くなります。

しかし調剤薬局は、事業規模の小さい個人経営の薬局もM&Aでの売却対象となり得ます。

実際に大手調剤薬局が小規模な調剤薬局を買収するケースも発生しており、調剤薬局業界では個人経営の薬局であっても、大手を含め売却対象先は幅広く存在します。

大手の調剤薬局でも売り手となる

調剤薬局は国内に約5万9000店が存在する、オーバーストアの状態にあります。

また全体の処方箋枚数の伸びが頭打ちの状態であり、市場全体としての伸びはストップしています。

成長が止まった市場では企業間の優性劣敗が進み、経営状態の厳しい企業の淘汰も進みます。

また調剤薬局業界では政府の進める地域包括ケアシステムの導入が目前に迫っており、業界の更なる激変が予想されます。

よって調剤薬局大手であってもより規模の大きい企業に対して身売りが行われるなど、調剤薬局業界のM&Aでの売り手は中小規模の企業のみならず、大手企業でも売り手となりうる状態です。

参考資料:
薬局業界の動向とカラクリがよ~くわかる本(第2版) p135

薬剤師の数は増加傾向にある

2006年度から薬学教育は4年制から6年制に移行しました。

また制度の移行に合わせ全国の大学に薬学部が増設された結果、薬剤師の増加スピードが以前に比べて増しています。

高齢化社会の到来により全国的に薬剤師不足となり、またドラッグストアの調剤薬局業界への進出などもあり、薬剤師は売り手市場の状態が長く続いています。

しかし処方箋枚数の伸びが頭打ちとなるなど調剤薬局市場の成長は止まった状態です。

新卒の薬剤師の供給は今後も変わらず続く中で、今後は薬剤師余りの時代が到来する可能性もあります。

現在は薬剤師を確保するためのM&Aも発生していますが、今後は単に人集めを目的としたM&Aは減少する可能性があります。

製薬会社や卸売会社との繋がりが強い

製薬会社ではMR(Medical Representative)が医師や薬剤師に対し、各製薬会社の薬剤の情報提供を行っています。

MRの仕事で最も重要な部分は、医師や薬剤師に対する医薬品の特性や使用上の注意などの情報提供です。よって調剤薬局では、製薬会社のMRとの繋がりは非常に重要となります。

また国内の医薬品の殆どは卸売会社が製薬会社から仕入れた後、医療機関や調剤薬局に販売がなされています。

よって実際に調剤薬局が医薬品を仕入れるのは、卸売会社からとなります。

そして卸売会社のMS(Marketing Specialist)が医薬品を実際に各調剤薬局に届けています。

よって上述のように、調剤薬局では製薬会社のMR及び卸売会社のMSとは非常に緊密な関係にあります。

尚、卸売会社は上位4社(株式会社メディパルHD<7459>、アルフレッサHD株式会社<2784>、株式会社スズケン<9987>、東邦HD株式会社<8129>)のシェアが市場シェアの90%を占める寡占化された市場です。

既に業界再編が一段落する中で卸売会社は異業種へのM&Aに打って出ており、卸売会社が調剤薬局を運営する企業への出資を行うケースもあります。

調剤薬局業界の現状M&Aの流れ

調剤薬局業界の現状M&Aの流れ

調剤薬局業界のM&Aに際し、買い手企業の流れは下記となります。

  1. 買収戦略の立案
  2. M&Aアドバイザーの選定
  3. ターゲットへのアプローチ
  4. デューデリジェンス及び交渉(一定の段階で基本合意を締結のケースも)
  5. 最終契約締結
  6. クロージング(買収代金の支払いなど)

調剤薬局業界では近年多くのM&Aが実行されています。

ただし、どのような売却案件を有しているのか、という情報力はM&A会社の実力次第の側面があります。M&Aが多く実行されている業界であり、業界の知識や案件情報が豊富なM&A会社も存在します。

よって調剤薬局業界を得意とするM&A会社をアドバイザーとして選定することで、豊富な案件情報から買収候補先を選び、スムーズなM&Aプロセスの実行が可能となります。

一方で売り手企業の流れは下記となります。

  1. 売却方針の決定
  2. M&Aアドバイザーの選定
  3. M&Aアドバイザーから候補先企業の紹介
  4. デューデリジェンス及び交渉(一定の段階で基本合意を締結のケースも)
  5. 最終契約締結
  6. クロージング(株式譲渡など)

調剤薬局のM&Aは多く行われていますが、薬剤師という専門職の存在が不可欠であるため、同業同士でM&Aが行われるケースが多くなります。
大企業のみならず中小企業であっても売却機会は多いものの、買い手企業は比較的限られている、という特徴があります。

2019年度の大手企業M&A戦略 2019 Strategy

2019年度の大手企業M&A戦略 2019 Strategy

数年前から、ドラッグストアが調剤業界に参入してきており、少しずつシェアを伸ばしてきた様子が伺えます。

この流れも含め、今後も大手企業の調剤薬局のM&Aに関する検討は積極的に行われると予想できますが、薬価改定等による買収基準については今後もさらにシビアになっていくと見られています。

2018年には数十店舗規模の調剤薬局グループが大手企業グループに吸収されるようなM&Aも何件かありましたが、2019年も引き続き大手グループに中小規模の薬局が吸収されていく形が大きな流れになるといえます。

M&Aを活用するメリット

M&Aを活用するメリット

調剤薬局業界におけるM&A活用のメリットをご紹介します。

譲渡側のメリット

  • 創業者利益確保
  • 後継者(事業継承)問題の解決
  • 薬剤師の確保
  • 従業員の待遇改善
  • 仕入れメリット
  • 個人保証の解除(株式譲渡の場合)
  • 薬局閉鎖の回避
  • 精神的/体力的な負担の解消

それぞれ内容を下記で詳しく解説いたします。

創業者利益確保

M&Aは株式会社の株式の売買によって行われるケースが殆どです。創業者が自ら株式の大半を有する調剤薬局の場合、株式の売却により創業者は創業者利益の確保が可能となります。

株式売却による創業者利益の確保には大きく分けて、IPO(株式上場)とM&Aの2つの手段があります。しかしIPOは多店舗展開による売上及び利益拡大が必要であり、創業者利益の確保を目的とすることは現実的ではありません。

一方でM&Aの場合、売り手と買い手が合意できれば早期に実行可能です。よって創業者利益の確保という観点では、M&Aの活用が現実的です。

後継者(事業継承)問題の解決

急速な高齢化が進む日本では、調剤薬局もその影響を免れることはできません。調剤薬局経営者の高齢化も進んでおり、少子化も進む中で後継者不足が現実化しています。

自らの子供が後継者となることが理想的ですが、少子化もあり子供に薬局を継がせるケースはそれほど多くありません。一方でこれまでの貢献度の高い従業員に株を譲り事業承継を行うケースも考えられますが、従業員個人に株式取得を行う資金力があるのか、という問題に直面します。

よってM&Aを活用して他の企業に調剤薬局を売却することは、後継者(事業継承)問題の大きな解決方法となりえます。

関連ページ>調剤薬局の後継者問題を解決するにはどうすべきか

薬剤師の雇用の維持確保

個人経営の調剤薬局であっても、従業員として薬剤師を雇い経営を行っている企業は多くあります。薬価引き下げや、都市部では調剤薬局間の競争激化もあり、個人経営の調剤薬局の場合、経営面では不安定な面は否定できず、薬剤師の雇用も不安定にならざるをえません。

M&Aにより大手企業グループの傘下入りすることは、薬剤師の雇用の確保及び安定化にもつながります。全国的に見れば薬剤師は不足しており、調剤薬局の買い手は薬剤師も求めています。またM&A時の契約書に、従業員(薬剤師)の雇用の維持を含めることも可能です。企業売却という手段を活用することは、従業員の雇用の維持・確保にもつながります。

 

保険薬局の常勤薬剤師の比率グラフ

 

引用URL:「保険薬局の現状分析」https://www5.cao.go.jp/keizai3/2017/08seisakukadai14-7.pdf

従業員の待遇改善

個人経営独特の薬局の雰囲気など、個人経営の調剤薬局の良さも存在します。しかし待遇面では上場する調剤薬局などに比べ、改善には個人経営では限界があります。

M&Aにより大手企業グループの調剤薬局に会社を売却することは、従業員の待遇改善につながるケースが少なくありません。大手の傘下入りすることで、従業員の給料上昇の可能性があります。また安定した経営環境の下で、継続的な勤務も可能です。更に多くの上場会社では、独自の福利厚生サービスを提供しています。

M&Aにより大手の傘下入りする場合は、従業員の待遇改善が図られる可能性は高いといえます。

仕入れメリット

M&Aによる企業買収には、規模の利益が確保できる、というメリットも存在します。

仕入れ面では、大手の傘下入りとなればグループ全体としての仕入れとなるため、バイイングパワーが働き、それまでに比べ易い価格での仕入れが可能です。そして仕入れ価格の削減は、利益の改善に直結します。

企業を売却して大手の傘下入りすることは、経営の数字的な面では、特に仕入れにおいて恩恵を享受できます。

個人保証の解除(株式譲渡の場合)

個人経営の調剤薬局でも、銀行などから融資を受けて事業展開を行うケースは少なくありません。そして融資を受ける際は、経営者の個人保証が求められることが殆どです。

その結果、事業に失敗し企業が倒産した場合、融資金額は経営者が個人で保証する必要があります。経営者の個人保証のプレッシャーは、実際に経営者とならなければ理解できない、といわれます。

調剤薬局に限りませんが、M&Aにより株式の譲渡がなされると、経営の主導権は第三者に移るため、個人保証は外れます。

企業売却により借入に対する個人保証が解除できる、という点は、経営者個人の精神的な大きな負担を軽減することになります。

関連ページ>調剤薬局の株式譲渡に伴う個人保証解除の方法とは

薬局閉鎖の回避

薬剤師は年間の人材供給が限られる中、特に地方を中心に慢性的な人手不足となっています。また高齢化が進む地方では、1件の調剤薬局が地域医療を支えるケースも少なくありません。

そんな中で後継者不足等の理由で調剤薬局が閉鎖となれば、地域医療が成り立たなくなるリスクが顕在化します。

個人経営の調剤薬局であっても、その閉鎖の影響が広範囲に及ぶケースもあります。M&Aでの売却を選択することで、薬局閉鎖による各方面への悪影響を避けられます。

関連ページ>調剤薬局の閉店や廃業を考える時にすべきこととは

精神的/体力的な負担の解消

個人の調剤薬局といえども、オーナーは経営者には違いありません。個人オーナーとして調剤薬局の経営を切り盛りしてきたオーナーでも、年を重ねることで精神的・肉体的に以前のような無理が効かなくなるのはやむを得ません。

後継者が存在する場合、徐々に仕事を後継者に引き継ぐなどして負担を減らすこともできます。しかし後継者がいない場合は、経営を辞めるまで精神的・体力的なプレッシャーはなくなりません。

調剤薬局を売却して経営から離れることで、経営者はこれまでの精神的・体力的なプレッシャーから解放されることになります。

譲受側のメリット

調剤薬局を買収=譲受側のメリットとしては、次の4点が考えられます。

  • 市場シェアの拡大
  • 人材確保
  • 新規参入スピードの向上
  • ドミナント戦略の実施

それぞれ下記で内容を詳しく解説いたします。譲受側の狙いやメリットを知ることで、売却する際の意思の疎通などがスムーズになる効果も期待できます。

市場シェアの拡大

同業企業間におけるM&Aの最大のメリットは、市場シェア拡大にあるといっても過言ではありません。高齢化社会の到来による医療費増大を背景に、政府は医療費削減のために薬価報酬の引き下げを行っています。生き残りのための規模拡大は、合理的な選択肢です。

また特に都市部では調剤薬局間の競争も激化しており、M&Aにより市場シェアを拡大し、仕入れコスト削減等で競争力を向上させることは、今後の生き残りのための重要な戦略となります。

人材確保

国家資格である薬剤師は、人材の供給量が年間一定です。よって採用の問題はお金だけでは解決できない側面があります。また薬剤師の都市部集中、地域偏在などで需給バランスが崩れており、特に地方では慢性的な薬剤師不足にあります。

M&Aで調剤薬局を買収することで、買収側は被買収側企業に所属する薬剤師の確保が可能です。被買収側企業に所属の薬剤師数が多い場合、M&Aは効率的な薬剤師確保につながります。

調剤薬局の新規出店のみならず、高齢化社会の中では既存の店舗を維持するためにも薬剤師の確保は必要不可欠です。調剤薬局にとってM&Aは、薬剤師不足を解消する1つの解決方法としての側面も有しています。

 

施設と業務別に見た薬剤師数

 

性別と年齢別の薬剤師の数

 

都道府県別の薬剤師の数

 

引用URL:「調査の概要」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/16/dl/kekka_3.pdf

新規参入スピードの向上

M&Aには市場シェア拡大という効果もありますが、“時間を買う”という側面もあります。調剤薬局の場合、新規出店をゼロから行うより既存の調剤薬局の買収を行うことで、新規出店に比べスピーディーに事業展開できる可能性があります。

既に顧客が付いてビジネスとして成立している店舗の場合、若干プレミアを付けて(=割高な価格で)買収した場合でも、継続的に利益が計上できれば最終的には投資の回収に加えて事業拡大という目的も達成できる可能性が高いといえます。

新規出店を行い数年かけて店舗運営を軌道に乗せるより、実績ある既存店を買収することでスピード感ある事業展開ができます。

ドミナント戦略の実施

地域を絞って集中的に出展するドミナント戦略を実施する際も、M&Aは有効です。

ドミナント戦略を有効に機能させることができれば、同一地域内での市場占有率向上・知名度向上により、売上増やコスト削減が可能となります。

同一地域内での調剤薬局を複数買収することで、ドミナント戦略は着実に実行できます。また同一地域で新規出店を複数行うよりも、M&Aならスピーディーに目標の達成も可能です。

ドミナント戦略の実行においてM&Aを活用することは、先の新規参入スピード向上と同様、事業拡大を新規出店に比べ優位に進めることにつながります。

関連ページ>調剤薬局の経営者が知るべきドミナント戦略とは

調剤薬局の譲渡価額の相場

調剤薬局のM&Aを実行する際の、株式や事業の譲渡価額は、売上高や利益、その他の情報に基づいて決められます。

また、価額を決定する際には上場企業を参考とした、少し複雑な計算を必要とします。

各調剤薬局ごとに、計算式が少しずつ異なって参りますので、CBパートナーズの無料価値算定サービスをご利用くださいませ。

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調剤薬局の譲渡価格の相場の考え方についてより詳細に知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連ページ>調剤薬局のM&Aの動向と価格の相場について

調剤薬局M&Aでおさえておくべきポイント Points

調剤薬局M&Aでおさえておくべきポイント

主要企業

 

法人名 売上高/年 店舗数
アインホールディングス 2683億8500万円 1066
日本調剤 2412億7400万円 558
総合メディカル 1354億3100万円 674
クオール 1455億1600万円 696
メディカルシステムネットワーク 939億7700万円 387
ファーマライズホールディングス 545億6200万円 316
メディカル一光 309億1400万円 94

 

※2018年3月期決算より抜粋

上記のような主要な企業がありますが、先述した通り、
調剤薬局業界のシェアでは、大手の上位10社で15%程度しかありません。

また、個人レベルで経営されている調剤薬局が市場全体の7割を占めるともされています。

よって、個人が調剤薬局のM&Aを行うこともあります。
個人での調剤薬局のM&Aについての詳細は以下の記事を参考にしてみてください。
関連ページ>調剤薬局のM&Aで個人が引き継げる?基礎知識まとめ

関連ページ>調剤薬局の売上ランキングから見る、経営者が知るべきこと

調剤薬局M&Aの特徴

調剤薬局のM&Aは、通常の企業とは少し違った側面があります。
そのため、調剤薬局業界に特化したM&Aのポイントをご紹介させていただきます。

売上と利益と技術料

もちろんですが、他の業態と同じように売上/利益の状態は重要な評価指標になります。

しかし、調剤薬局ではそれに加え、技術料や取り扱っている処方箋の種類(何科の処方箋か等)によっても、買い手の買収意向は変化してきます。

また、近くの医療機関にもよりますが、処方箋枚数と単価についても、重要な指標となります。

 

調剤技術料について

 

調剤薬局の薬学管理料について

 

引用URL:「保険調剤の理解のために」https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/dl/shidou_kansa_03.pdf

処方元医療機関の集中率

調剤薬局は単独ではなかなか売上を出すことが難しく、実際には医療機関の近くに店舗を構え、その医療機関から出された処方箋で売上の多くを作っている調剤薬局が多いです。

いわゆる門前薬局ということになりますが、医療機関別の処方箋割合を示す集中率で見た場合、1つの医療機関の集中率が高すぎると、買い手側から1つの医療機関に依存しているために少しリスクが高いと見られることがあるため、不利になることがあります。

逆に、集中率が低く、様々な医療機関からの処方箋によって、売上を出している場合には、評価が高くなりやすい傾向にあります。

医療機関の医師の状況

処方元医療機関の集中率と密接に関係してくる項目ですが、調剤薬局は医療機関からの処方によって売上を出しているという状況から、処方元医療機関の医師の年齢や健康状態、後継者の有無なども調剤薬局のM&Aはポイントになってきます。 

というのも、譲受側企業からすれば、決算書上では良い店舗であったとしても、処方元の医師が高齢で後継者がいないにもかかわらず1年後に引退する予定である場合などは、買収した店舗の収益性がガクッと落ちてしまう可能性があるからです。 

そのため、調剤薬局のM&Aを行う場合には、調剤薬局の状況だけではなく、所在地域の医療機関の情報も含めて評価の対象となることに注意が必要です。

調剤薬局M&Aの完了までにかかる期間

一般的にM&Aが実施されるには6ヶ月~1年程度の期間が必要とされますが、調剤薬局のM&Aも同様の期間が必要です。尚、調剤薬局のM&Aは病院のM&Aと違い、許認可を持つ行政が関与することは殆どないため、病院間のM&Aに比べれば時間はかかりません。

M&Aはケースバイケースであり、1ヶ月程度でトントン拍子に話が進む・お互いのニーズがあっても次から次に問題が発生して話が殆ど進まない事例など、標準化できない面もあります。

中小企業のM&Aで期間が長引く原因としては、株式譲渡価格が原因となるケースが多くなります。売却側の経営者としては、高く会社を売却したい、という希望は当然です。しかし買収側は経営者の思いとは別に、財務状況など客観的な視点で譲渡価格は算出されます。

売却の想定価格と提示価格の開きが大きく、経営者の気持ちの整理がつかず時間だけが流れていく、というケースはしばしば発生しています。

調剤薬局のM&Aでの失敗例を知っておく

M&Aを実行したものの、買収先企業とのシナジー効果が得られない結果となるなど、全てのM&Aが成功するとは限りません。

しかし他社の失敗事例を知ることで、同じ失敗を繰り返すリスクを減らすことができます。

調剤薬局のM&Aでの代表的な失敗例としては下記をあげることができます。

  • 人材が流出してしまった
  • 従業員同士の関係性が悪化してしまった
  • 経営状況が悪化してしまった
  • 風評被害を受けてしまった

それぞれの例を詳しく解説していきましょう。

人材が流出してしまった

調剤薬局業界の人手不足感は一時に比べるとピークアウトしつつありますが、それでも未だに人手不足の状態にあります。

調剤薬局のM&Aでは薬剤師を確保する、という視点で買収を手掛けるケースもあります。

しかし人材確保を目的としたM&Aを行ったにもかかわらず、M&A実行後に被買収側企業に所属する薬剤師との良好な関係を構築できなければ、被買収側企業の薬剤師は他社へ移る可能性が高くなります。

人材確保を目的としたM&Aを行ったにもかかわらず人材が流出する事態となれば、そのM&Aは失敗といわざるを得ません。

よってM&Aの後は、被買収側企業の薬剤師と緊密なコミュニケーションを取ることで、会社が新しい環境になることへの不安や懸念を払拭する努力を行う必要があるのです。

被買収側企業の社員との関係構築は、M&A成功のための必要条件です。

人手不足の調剤薬局業界では、特に重要視される事項となります。

従業員同士の関係性が悪化してしまった

どのような経緯であれ被買収側企業の社員は、買収側企業の社員に対し警戒心を持ちます。

業績不振の企業を買収する場合や、買収側企業より企業規模が小さい企業の場合は尚更です。

そのような背景がある中で、買収側企業の社員が被買収側企業の社員に対し横柄な態度を取るなどすれば、買収側及び被買収側の社員同士の関係悪化は火を見るより明らかです。

M&Aは企業という箱を売買する行為ですが、その中には従業員という感情を持つ人間が存在します。

M&Aの後、被買収側企業との事業シナジーを得るためには、被買収側企業の社員との協力なしでは成功しません。

M&A実行後は買収側と被買収側の社員同士のコミュニケーションを充分に行うなどして、社員同士に不振感が生じぬような手立てが必要です。

経営状況が悪化してしまった

M&A実行後に被買収側企業の業績が悪化してしまうケースは少なくありません。

買収後に被買収先企業の経営状況悪化を防ぐために、買収前から買収後の事業計画を策定する必要があります。

買収時のデューデリジェンスにより、被買収側企業の強み・弱みの把握はできるため、買収側で出来る支援も検討しながら、弱点をカバーして強みを最大限発揮できる事業計画を作成し、

買収後は速やかに事業計画に基づき事業を開始する必要があります。

前オーナーが一人で経営の屋台骨を支えていた場合などは、買収による前オーナーの引退で企業体力が一気に弱体化するケースもあります。

企業買収を行う際は、事前準備として買収後の事業計画まで作成することで、買収後に被買収側企業の業績悪化を避けることができます。

ただしM&A後に業績が悪化するケースは、業績悪化が予期されていた、前経営者なしでは業績の維持ができなかったなど、デューデリジェンスで本来は見抜けていたケースも一定数あります。

よって事前のデューデリジェンスを充分に行う必要性はいうまでもありません。

風評被害を受けてしまった

風評被害は被買収側企業及び買収側企業の両者に生じる可能性があります。

被買収側企業では企業が買収されたことで、会社の状態やサービス内容に対し風評被害が生じるリスクがあります。

事業基盤事態はしっかりしている会社が事業承継問題から身売りした場合でも、「あの会社は大丈夫か?」といった風評被害が生じる可能性があるからです。

特に主要顧客があらぬ疑念を抱かぬためにも、買収発表後は買収先企業とともに顧客企業を訪問するなどして、風評被害発生のリスクを抑える対応が必要です。

一方で買収側企業でも風評被害が発生するリスクがあります。

上場企業の場合は財務情報が開示されていますが、中小企業で財務情報が開示されているケースは殆どありません。

そのような環境下で他社の企業を買収したことが明らかになると、「他社を買収できるような会社なのか?」などの風評被害が生じる可能性があります。

このようなリスクを避けるためにも、買収側企業であっても主要な取引先に対しては可能な限りM&Aの意図を説明するなどして、風評被害の発生リスクを下げることが求められます。

M&A実行後であっても、第三者に対しては開示できる情報は限られます。

しかし買収側及び被買収側いずれも、特に主力取引先には責任ある立場の人間が訪問するなどして、M&Aの内容や意図などを説明することで、風評被害の発生を防ぐ対応が求められます。

最後に message

最後に

調剤薬局のM&Aは現在最盛期と呼べる状況ですが、調剤薬局の市場自体は既に横ばいの状況であり、今後調剤薬局のM&Aでの譲渡価格が向上することはあまり見込めません。

そのため、少しでも高い価額で調剤薬局を譲渡したいとなると、一刻も早く調剤薬局の譲渡を検討し、実行に起こす必要があります。

しかし、M&Aを検討した場合、経営者様ご自身が譲受企業を探すとなると、非常に負担が大きくなります。

そのため、M&Aをお考えなのであれば、調剤薬局業界のM&A成約件数日本No.1の実績を持つCBパートナーズにお気軽にご相談くださいませ。年間40件以上の成約を実現している知見と実力を、M&A成約まで無料でサポートさせていただきます。

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