調剤薬局の事業承継とは?種類とメリットについて

中小事業者が多数を占める調剤薬局業界では、経営者の高齢化を背景に事業承継問題が浮上しています。

中小の調剤薬局では親族や従業員に対し事業承継を行うケースは限られるため、廃業を余儀なくされるケースがあるものの、M&Aで大手企業などに企業を売却して事業承継を行う選択肢もあります。

そこでこの記事では、事業承継についてその種類やメリットを解説いたします。



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  • このページの監修者
  • ディレクター
    青木 祐二
  • 関東地区の調剤薬局事業を担当するM&Aディレクター。 座右の銘は「成功の反対は失敗ではなく、何もやらないこと」。

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調剤薬局に事業承継が求められる背景

調剤薬局に事業承継が求められる背景

既に日本は少子高齢化社会に突入しています。
特に団塊世代の後期高齢者入りを目前に控えている今、更なる高齢化が進むことが予想されています。

また、高齢化は企業活動にも影響を与えており、企業経営者の引退が相次いでいる状況です。
国内人口のボリュームゾーンである団塊の世代は企業経営者の数も多く、今後も企業経営者の引退が進むことが確実となっています。

組織体制の整備がなされている上場企業であれば、経営者が引退しても事業承継は社内の適任者に任せることができます。

しかし中小企業の場合、親族を除くと事業承継は適任者が殆どいないのが実状です。
そのため、親族も様々な理由から事業を継がないケースが増えています。

また国内の調剤薬局業界は中小事業者が多数を占める業界であり、経営者引退の影響を最も受ける業界の1つです。

調剤薬局の事業承継に適したタイミングとは

事業承継のタイミングはケースバイケースですが、早ければ早いほうがよいといえます。

ただし経営する調剤薬局の経営状況、経営者自らの年齢、顧客との関係、立地条件、物件の契約条件等から、必然的に事業承継のタイミングは決まります。

よってまずは、事業承継が迫られるタイミングを割り出すことが重要です。
タイミングを割り出した後に逆算して、早めに事業承継の準備を始める必要があります。

事業承継のメリット

事業承継のメリットは事業が継続されることで、顧客や取引先に迷惑をかけることがない、という点にあります。

廃業を行えば、様々な関係者の事業サイクルが断ち切られます。

企業の廃業は該当企業を取り巻く関係者に負担を与える行為でもあります。
しかし事業承継によりそのまま事業の継続ができれば、関係者はそれまでの取引関係の維持が可能です。

また事業承継は多くの場合に株式売却で行われるため、経営者は株式の売却代金を取得できます(特に親族以外への事業承継の場合)。

この代金を企業売却後の生活資金に充てることができ、また株式売却代金でこれまで個人で借り入れていた事業資金の返済もできます。

調剤薬局の事業承継の方法

調剤薬局に限らず事業承継の方法としては株式譲渡が一般的です。

オーナーが保有する株式を後継者に譲渡することで、会社の所有権や経営権は株式取得者に移ります。

事業の一部門のみを切り離して事業譲渡を行う事業承継の方法もありますが、企業の分割手続が必要になるなど、株式譲渡に比べると非常に手間がかかります。

尚、親族間の事業承継による株式譲渡では税制優遇措置が利用できるケースもありますが、その他の場合の税制優遇措置は限られています。よって親族間の事業承継は税制面では有利です。

調剤薬局のM&Aをおすすめする理由

調剤薬局のM&Aをおすすめする理由

調剤薬局においてM&Aを活用して事業承継をおすすめする理由は下記となります。

  • 従業員の雇用を守ることにつながる
  • 地域医療を継続させることができる
  • 借金などの負担が少なくなる

それぞれ解説していきましょう。

従業員の雇用を守ることにつながる

後継者がおらず廃業する場合、従業員は失職します。

次の職場の紹介などのサポートが必要ですが、慣れ親しんだ職場を去り新しい環境で仕事につくことはストレスも伴い、また地域的な問題などから次の職場が簡単に見つからない場合もあります。

M&Aにより事業承継を行うことは、従業員の雇用を守ることにつながります。
従業員の雇用を守ることは企業経営者の責務としての一面があり、M&Aでの事業承継により経営者としての責務を果たすことができます。

地域医療を継続させることができる

地域によっては調剤薬局の数が少なく、近隣の調剤薬局まで距離が相当離れている地域もあります。

その場合、調剤薬局の廃業は地域医療の存続自体に影響を与えます。
地域医療の存続、という大きな問題に至らずとも、廃業が顧客に負担をかける結果となります。

M&Aで事業承継ができれば調剤薬局の閉鎖はなされないため、地域医療はそのまま継続し、地域の他の医療機関や顧客に負担をかけることはありません。

借金などの負担が少なくなる

調剤薬局の開業時に金融機関などからの借り入れを行い、自己資金に加え借り入れも用いて事業を開始するケースは少なくありません。

廃業を行うには、借り入れも基本的には全額返済する必要があります。

しかし廃業の場合、手持ち資金から借入金の返済を行う必要があります。
それまでに返済資金が確保できていれば問題ありませんが、借入金の返済によりその後の生活費が圧迫されるようでは本末転倒です。

M&Aによる事業承継を行う場合、会社の借入金は買収先が負担する、株式譲渡代金の一部を借入金の返済代金として相殺するなどの方法で返済することができます。

よってM&Aでの事業承継は、オーナーにとって経済的な負担が少ない方法となります。

まとめ

少子高齢化及び人口のボリュームゾーンの団塊の世代の引退により、多くの企業で経営者の引退が既に始まっています。

中小事業者の多い調剤薬局では従業員への事業承継が容易ではないため、事業の継続性には問題がないにもかかわらず、後継者がおらず廃業に至るケースが少なくありません。

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