京都寺

老舗企業の多い京都では、調剤薬局も地元の有力企業が地域に根付き、地域医療を支えているケースが少なくありません。
ただし高齢化社会の到来による人口減少は、京都でも同様に静かに進んでいます。
京都における調剤薬局の業界動向及び過去のM&A事例を紹介いたします。



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  • このページの監修者
  • ディレクター
    青木 祐二
  • 関東地区の調剤薬局事業を担当するM&Aディレクター。 座右の銘は「成功の反対は失敗ではなく、何もやらないこと」。

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調剤薬局業界のM&Aの動向

高齢化社会を迎えた日本では、経営者の高齢化問題が発生しており、特に中小企業の多い業界で深刻化しています。 その中で、中小事業者の多い調剤薬局業界は、経営者の高齢化問題に直面している業界です。 よって、調剤薬局業界では、後継者のいない中小調剤薬局が大手調剤薬局などに買収されるケースが増加中。 同業大手のみならず、ドラッグストアや介護事業者なども買収意欲が高いため、現在中小調剤薬局は、様々な企業が買収の対象とされています。

京都の調剤薬局事情とは?

少子高齢化により既に国内の人口は減少期に入りました。 京都市も2012年の142.3万人をピークに徐々に人口の減少が進んでいますが、まだ減少は緩やかな状態です。 古都である京都は地域の身内意識が強く、古くからの中小企業が多い街。 このため調剤薬局業界においても、老舗の中小調剤薬局が経営を維持して地域医療を支えている状態です。 ただし高齢化による調剤ニーズの拡大により、大手調剤薬局も、京都に積極的な進出を行っています。 それでも京都府下の全体で見ると、京都市内の一部地域を除くと、古くからの中小調剤薬局が地域医療を支えている地域が少なくありません。

参考URL:
京都市の人口推移

調剤薬局業界におけるM&Aのメリット

調剤薬局業界におけるM&Aのメリット

次に、調剤薬局業界におけるM&Aのメリットについて、買い手側及び売り手側の観点で解説いたします。

買い手側のメリット

M&Aの買い手側メリットは、新規出店を行うよりも確実に素早く事業拡大が可能、という点にあります。 調剤薬局の事業拡大のセオリーは新規出店です。 しかし、政府による調剤医療費の削減もあり、新規出店を行っても予定通りの収益化ができない可能性もあります。 それに対して他の中小調剤薬局の買収を行えば、被買収先企業の売上や利益をそのまま取り込むことが可能です。 もちろん買収後に様々なてこ入れが必要となるケースもありますが、少なくとも買収前の売上・利益の維持さえできれば、買収側企業は新規出店に比べスピーディーな事業拡大が可能です。

売り手側のメリット

M&Aの売り手側メリットは、事業承継問題の有力な解決策となりうる点にあります。 高齢化社会の到来により、中小調剤薬局の経営者の多くも高齢化が進んでいます。 中小調剤薬局のほとんどが、家族経営及びそれに近い状態であり、経営者の高齢化の一方で後継者がいないケースも多いといえます。 しかし事業を売却することで、後継者難の中小事業者でも、事業を維持しながら経営者の引退が可能です。 地方では今でも、中小調剤薬局が地域医療を支えているというケースが珍しくありません。 そんな地域医療を支える調剤薬局の維持するためにも、事業売却は有効な手段となります。

M&Aの主な手法

M&Aの主な手法には「株式売却」「事業譲渡」があります

株式売却

株式会社は発行済み株式の過半数を取得することで経営権の取得が可能です。 よって多くの場合、M&Aは株式の売買のみで経営権の譲渡が可能な、株式売却で行われます。 なお、発行済み株式の過半数や2/3以上の取得で株式会社の経営権の取得はできますが、中小調剤薬局のM&Aでは、発行済み株式数の100%の売却を行うことで新旧オーナーの交代が行われる場合がほとんどです。 ただし、上場企業のM&Aなどで多額の資金が必要とされる場合は、段階的に株式が売却されるケースもあります。

事業譲渡

単一の企業で、調剤薬局を含む多角的な事業が行われている場合、特定の事業を売却する際は最初に事業の切り分けを行う必要があります。 株式売却は企業全体の売却となるため、特定の事業部門の売却には適していません。 よって事業の切り分けを行った上で事業譲渡が行われます。 事業譲渡は、上場企業など事業の多角化がなされている企業で活用されるケースが多くなります。 しかし中小調剤薬局でも、単一企業で調剤薬局事業と不動産管理事業を手掛ける企業などでは、事業譲渡の手続きによりM&Aが行われるケースもあります。

京都における調剤薬局のM&A成功事例

京都における調剤薬局のM&A成功事例

京都における調剤薬局のM&Aの成功事例を下記に3件取り上げました。

京都の調剤薬局のM&A成功事例:①寛一商店株式会社グループの事業譲受

関西を中心に調剤薬局を展開する寛一商店(京都市)はこれまで下記のM&Aを実行しています。

  • 2020年12月 共生商会(青森市、青森県内で調剤薬局4店舗運営)
  • 2020年6月 アサヒ調剤薬局(函館市)
  • 2019年9月 サポート薬局(大津市)
  • 2019年7月 キクヤ調剤薬局(東近江市)

未上場企業ながら、積極的なM&Aにより事業拡大を果たしている事例となります。

参考URL:
寛一商店株式会社グループの事業譲受の関連 M&A CAPITAL PARTNERS:M&Aニュース 事業譲受に関するお知らせ 日本経済新聞「京都の寛一商店、青森の調剤薬局を買収」

京都の調剤薬局のM&A成功事例:②キリン堂HDによる事業取得

キリン堂HD(大阪市:3194)は2019年8月、京都府内で調剤薬局事業(対象1店舗)の取得を発表しました。 相手先企業名や業績などは非公表ですが、有力ドラッグストアによる京都府内での中小調剤薬局の買収事例となります。

参考URL:
当社連結子会社による事業譲受に関するお知らせ

京都の調剤薬局のM&A成功事例:③クスリのアオキHDの買収

クスリのアオキHD(石川県白山市:3549)は2020年10月に食品スーパー8店舗を展開するフクヤ(宮津市)の買収を発表しました。 クスリのアオキHDはフクヤの食品スーパーにおいて、ドラッグストア及び調剤薬局の組み合わせを行うべく店舗の改装を進める予定です。 上場ドラッグストアによる、調剤薬局事業も含めた事業拡大に向けてのM&A事例となります。

参考URL:
株式会社フクヤの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

M&Aのことは専門家に相談するのがおすすめ

M&Aは中小企業であっても昨今は非常に身近な存在となりつつあります。 しかし、M&Aはケースバイケースの部分が非常に多いため、M&A実現のためには最初の段階から専門家に相談することがお勧めです。 特に調剤薬局業界のM&Aは、相手先が多岐に渡るため、調剤薬局業界のM&A経験豊富な専門家に相談を行うことで、スムーズなM&Aの手続きを行うことができます。 事業承継問題などから調剤薬局のM&Aをお考えなら、調剤薬局のM&A経験豊富な専門家に相談されてはいかがでしょうか。

まとめ

老舗企業が多く存在する京都では、調剤薬局業界でも多くの老舗の中小調剤薬局事業者が存在します。 京都市内は大手調剤薬局の進出も行われていますが、地元の老舗調剤薬局も根強く事業展開し、寛一商店株式会社グループのように積極的なM&Aを行う中堅企業も存在します。 しかし、京都においても中小調剤薬局経営者の高齢化問題を、避けて通る事はできません。 老舗の中小調剤薬局が多く、また地元志向の強い京都において。調剤薬局業界がどのような推移を見せるのか、今後の行方が注目されます。

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