街並み

東北地域で最大の都市である仙台には様々なタイプの調剤薬局があります。
仙台市の人口は約109万人で横ばいの推移を見せるものの、仙台の調剤薬局業界は経営者の高齢化により中小調剤薬局が大手などの傘下に入るケースが増加しています。
仙台における調剤薬局事情及びM&A事例について解説いたします。



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  • このページの監修者
  • ディレクター
    青木 祐二
  • 関東地区の調剤薬局事業を担当するM&Aディレクター。 座右の銘は「成功の反対は失敗ではなく、何もやらないこと」。

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調剤薬局業界のM&Aの動向

調剤薬局業界は他業界に比べ中小事業者の比率が高く、大手による寡占化はまだそれほど進んでいません。 しかし、調剤薬局業界も高齢化社会到来の影響から経営者の高齢化が進んでいます。 このため、最近では大手調剤薬局などが事業承継問題を抱える中小調剤薬局を買収するケースが増えてきています。 国内の高齢化は今後更に進むことが確実視されており、それにともなって調剤薬局業界も大手事業者などによる中小事業者のグループ化が進むことが予想されます

仙台の調剤薬局事情とは?

仙台市は東北最大の都市です。 人口の減少が進む都市が多いものの、今も東北各県から人の流入がある仙台市は、人口は約109万人で横ばいの状態が続いています。 人口100万人を超える仙台市には、ドラッグストア併設の都市型から門前型、そして地域密着型など、多くのタイプの調剤薬局があります。 また、東日本大震災後に開発された住宅地も各地にあるため大手調剤薬局による進出も積極的に行われており、薬剤師不足の状態です。

調剤薬局業界におけるM&Aのメリット

青空と女性

調剤薬局業界におけるM&Aのメリットについて、買い手側及び売り手側の両者の観点で解説いたします。

買い手側のメリット

調剤薬局のM&Aにおける買い手側メリットとしては、新規出店に比べ早期に確実な事業拡大ができるという点があげられます。 調剤薬局事業拡大のセオリーは新規出店ですが、新規出店は当初計画通りに売上や利益が上がらない可能性があります。また当初予想できないアクシデントが発生するなどして、赤字が継続する場合もあるでしょう。 しかし、一定の売上や利益を計上している調剤薬局を買収できれば、確実に買収先の売上や利益を取り込むことができます。 投資額は新規出店に比べ割高となる場合もありますが、事業拡大の確実性及びスピード感という観点では、十分採算の取れる投資です。

売り手側のメリット

調剤薬局の売り手側メリットとしては、地域医療を支える存在の調剤薬局について、出店を維持したまま経営者の引退が可能、という点があげられます。 調剤薬局業界では中小調剤薬局の経営者の高齢化が進んでおり、事業承継問題の解決が待ったなしの状態の調剤薬局も少なくありません。 しかし、調剤薬局は地域医療を支える存在でもあり、簡単に廃業の決断はできません。 M&Aによる事業売却なら店舗は買収先が引き継ぐため、前オーナーは安心して引退することができます。 また、事業売却は株式売却で行われるケースが多いため、前オーナーは株式売却代金を事業売却後の生活資金にあてることができます。

M&Aの主な手法

握手

M&Aの手法は主に株式売却事業譲渡の2種類があります。

株式売却

M&Aは多くの場合、株式売却で行われます。前オーナーが買収企業に対し所有する株式を売却することで企業の売却がなされます。 株式会社は発行済株式の過半数以上の株式を取得することで経営権取得が可能です。買収先企業は、前オーナーから過半数以上の株式を取得することで企業の経営権取得ができます。 なお、中小調剤薬局のM&Aの場合、株式の100%売却となるケースが殆どです。 ただし、上場企業などでは金額が多額になることから、一旦51%などの過半数を取得して事業が軌道に乗った後に100%買収を行うなどの手段が採られるケースもあります。

事業譲渡

1つの企業で多数の事業展開を行う企業が特定の事業部門を売却する際は、事業譲渡の手続きが行われます。 株式譲渡は企業全体の売却となるため、部門毎の売却には適しません。 ただし、事業譲渡の手続きは売却対象の事業を切り離す手続きが必要であり、事業の切り離しが行われた後で事業譲渡が行われます。 事業譲渡は株式譲渡のみで手続きが終了する株式譲渡に比べると、事業の切り離しという一手間かかるM&A手法です。 よって、多角的な事業展開を行う企業の一部門を買収する場合などを除けば、事業譲渡でM&Aを進めるケースは少ないといえます。

仙台における調剤薬局のM&A成功事例

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仙台における調剤薬局のM&Aの成功事例を下記に3件取り上げました。

仙台の調剤薬局のM&A成功事例①カメイ株式会社によるM2メディカル株式会社の株式取得

グループで49店舗の調剤薬局を展開する石油・LPガス卸の東北最大手のカメイ株式会社<8037:仙台市>は、2018年4月に仙台市で調剤薬局2店舗を運営するM2メディカル株式会社の株式取得を発表しました。 事業多角化で調剤薬局事業を手掛ける仙台本社の大手企業による、同地域で調剤薬局を展開する中小調剤薬局の買収事例となります。

仙台の調剤薬局のM&A成功事例②株式会社アインHDによる株式会社葵調剤の株式の取得

調剤薬局業界最大手のアインHD<9627:札幌市>は、2016年11月に全国で調剤薬局115店を展開し本社を仙台市に置く株式会社葵調剤の株式の取得(子会社化)を発表しました。 調剤薬局業界の最大手企業による地方の中堅調剤薬局の買収事例となります。

仙台の調剤薬局のM&A成功事例③アポロメディカルHDによる株式会社ライフファーマの子会社化

アポロメディカルHD<未上場、東京>は2018年3月に調剤薬局17店舗を運営する株式会社ライフファーマ(仙台市)の子会社化を発表しました。 未上場ながら調剤薬局を100店舗以上展開する企業による、地方の中堅調剤薬局の買収事例となります。

M&Aを検討しているなら専門家への相談がおすすめ

PCを打つ手

調剤薬局業界では事業承継などを契機によくM&Aが行われますが、それでも各事業者によってケースバイケースの部分が多いです。 よって、スムーズにM&Aを進めるためには調剤薬局のM&A経験豊富な専門家への相談がおすすめ。 専門家から客観的なアドバイスを受けることで、現実的な視点でM&Aの可否や、M&Aにおける売却時の価格感を掴むことができます。 調剤薬局のM&Aにご興味があれば、早い段階から専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

東北最大の人口を有する仙台市には様々なタイプの調剤薬局が出店しています。 また、仙台市は東北地区の拠点都市であり、大手調剤薬局やドラッグストアによる出店意欲も旺盛なエリアです。 しかし、経営者の高齢化を背景に、事業承継問題を抱える地域密着型の中小調剤薬局が大手などの傘下に入るケースが増加しています。 東北の他地域からの人の流入があるため人口は横ばいで推移しているものの、更なる高齢化の進展が迫る仙台の調剤薬局業界がどのような推移を見せるのか、今後の推移が注目されます。

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