調剤薬局が生き残りをかけて取るべき手段とは

コロナ禍や地域包括ケアシステム導入など、調剤薬局を取り巻く環境は大きな変化を迎えつつあります。

そこで、この記事では、調剤薬局が今後の生き残りのために取り組むべき手段は何があるのか、考えられる手段を解説致します。



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  • このページの監修者
  • ディレクター
    青木 祐二
  • 関東地区の調剤薬局事業を担当するM&Aディレクター。 座右の銘は「成功の反対は失敗ではなく、何もやらないこと」。

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調剤薬局が生き残りを意識しなくてはならない理由

政府による医薬分業政策により、調剤薬局の数は1974年以降増加が続き、平成30年度末(2018年)の薬局数は59,613施設となりました。

2020年10月時点の国内コンビニエンスストアの店舗数は55,872店であり、薬局はコンビニエンスストア以上に出店がなされるオーバーストア状態です。

高齢者人口の増加の一方で政府は調剤医療費の抑制政策を採っており、またオーバーストア状態もあり、今後は調剤薬局業界に淘汰の波が訪れる可能性があります。

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小規模事業者は生き残りが難しい

多くの業界でオーバーストア状態となった後は、淘汰の波が訪れます。
その場合、経営体力に乏しい中小企業から淘汰されます。

国内調剤薬局業界は、特に中小事業者が多い業界です。

政府は2025年を目処に地域包括ケアシステムの構築を目指しており、その中で調剤薬局・薬剤師の役割も変化が求められています。

更に、中小調剤薬局の経営者の高齢化問題も生じるなど、中小調剤薬局の経営はこれまでの延長線上では生き残りが難しい時代を迎えつつあるといっていいでしょう。

調剤薬局が生き残るためには

調剤薬局が生き残るためには

変化と淘汰を迎えつつある調剤薬局業界において、生き残りのためには下記が必要と考えられます。

  • 今後増える設備投資を見越した経営を行う
  • 地域の病院などとの連携を強める
  • 利用者が使いやすい環境作り

それぞれについてみていきましょう。

今後増える設備投資を見越した経営を行う

調剤薬局業界では今後の生き残りのために、「IT化に伴う設備投資」、「かかりつけ薬局業務による人件費の増加」を避けて通ることはできません。

IT化に伴う設備投資

2011年から義務化されたレセプトオンラインシステムなど、調剤薬局のIT化は徐々に進んでいます。

2016年には電子処方箋が解禁され、2020年9月にはオンライン服薬指導も解禁されました。

これまではレセプトオンラインシステムなど、業務効率化のためのIT化が求められていました。

しかし今後は、オンライン服薬指導など、単に業務をIT化するだけではなくビジネスの進め方を変えるためのIT化が必要です。

コロナ禍の影響でテレワークが急速に浸透し、オンラインでの診療や服薬指導への抵抗感が薄れる中で、時代に適応した調剤薬局業務のためにIT投資は不可欠といえるでしょう。

かかりつけ薬局業務による人件費の増加

政府は地域包括ケアシステムの構築に向け、調剤薬局・薬剤師のかかりつけ化を推進しています。

「服用薬の一元的・継続管理」「24時間対応・在宅対応」「医療機関等との連携」が求められるかかりつけ薬局業務では、個人では対応できない部分もあり組織での対応が求められます。

よって、これまでの個人で経営してきた調剤薬局には、人員を増やす以外の選択肢がありません。 人件費の増加は避けられないといえるでしょう。

地域の病院などとの連携を強める

これまでの調剤薬局は、店舗を構えて顧客が来るのを待つのみ、という経営スタイルが殆どでした。

立地勝負の面があり、いかに優れた立地に出店するか、が事業展開のポイントとなっていました。

しかし更なる高齢化を背景に地域包括ケアシステムの構築を目指す政府は、調剤薬局に対して地域医療に対する取組みを求めています。

在宅をベースに医療と介護が進む地域包括ケアシステムでは、調剤薬局も各医療機関との連携が求められます。
今後の地域包括ケアシステムへの移行を見越し、調剤薬局は地域の病院などとの連携が必要です。

利用者が使いやすい環境作り

一般的に、薄暗い個人商店の調剤薬局よりも、画一的な作りながらも大手が運営する明るく清潔感のある調剤薬局のほうが顧客は入店しやすいといえます。

そのため、大手調剤薬局はM&Aで買収した小規模調剤薬局の改装を進め、利用者が使いやすい店舗の整備を進めています。

しかし、資本力に乏しい中小調剤薬局は、経営の維持こそ出来ているものの、資金面から店舗の改装には手が回りにくいです。

大手調剤薬局の店舗に比べると、利用者から見て魅力に乏しい店舗となっているケースは少なくありません。

今後、淘汰の時代を迎える調剤薬局業界において、利用者に選ばれる環境や店舗作りも生き残りには必要です。

設備投資や環境整備などが難しいならM&Aがおすすめ

設備投資や環境整備などが難しいならM&Aがおすすめ

地域包括ケアシステムへの対応などもあり、今後淘汰が進む可能性のある調剤薬局業界では、中小調剤薬局の生き残りのためには、設備投資や環境整備が必要です。

しかし資金面、労力面、経営者の体力面などから、必要な設備投資や環境整備ができない中小調剤薬局もあります。

その場合は、経営状態が厳しくなる前に廃業を決断する選択肢もありますが、M&Aで調剤薬局を売却する、という選択肢もあります。

M&Aでの売却なら事業の存続はなされるため、地域の医療体制に影響を与えることなく自らの引退が可能です。

もし経営する調剤薬局の売却に関心があるなら、CBパートナーズにご相談ください。

CBパートナーズは調剤薬局や介護業界のM&Aに特化したM&A仲介会社です。
これまでの経験に基づき様々なアドバイスができます。まずはお気軽にご連絡ください。

まとめ

長く成長が続いた調剤薬局業界ですが、政府による医療調剤費の抑制政策、調剤薬局自体のオーバーストア状態、中小調剤薬局が多い業界構造などを背景に、今後は淘汰が進むと予想されます。

政府は2025年の地域包括ケアシステム導入に向けた政策対応を行っており、調剤薬局及び薬剤師も変化が迫られています。

しかし様々な事情から変化への対応が難しい調剤薬局も存在します。

経営が苦しくなる前に廃業する、という選択肢もありますが、地域医療体制の維持という観点では、M&Aで事業売却を行うという選択肢もあります。

調剤薬局は変化しなければ経営がどんどん苦しくなるリスクが迫っています。

今後どのような形で生き残りを図るのか、という点をどの調剤薬局も真剣に検討する時期が来ているのではないでしょうか。

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