東京における調剤薬局のM&A事例を解説

国内人口の約11%が集まる東京は、国内最大の調剤薬局市場を形成しています。

東京でのM&Aを考えている経営者の方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、東京における調剤薬局市場の状況とともに代表的なM&A事例を解説いたします。



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  • このページの監修者
  • ディレクター
    青木 祐二
  • 関東地区の調剤薬局事業を担当するM&Aディレクター。 座右の銘は「成功の反対は失敗ではなく、何もやらないこと」。

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調剤薬局業界のM&Aの動向

調剤薬局業界は薬価引き下げ問題に加え、経営者の高齢化問題が深刻化しています。

これらを受けて、M&Aを活用する形での事業承継が増加中です。

大手による寡占化があまり進んでいない調剤薬局業界では、上場する大手企業などが個人経営の調剤薬局を買収するケースも多く、中堅から中小まで幅広くM&Aが行われています。

政府は調剤医療費の抑制政策を採っており、今後も調剤医療費の大幅な増加が期待出来ないため、調剤薬局業界では大手による買収が進むと予想されます。

東京の調剤薬局事情とは?

日本全体の人口は125,836,000人(2020年7月1日時点)と発表される中で、東京都の人口は13,999,568人(2020年6月1日時点)とされています。

前述した通り、国内人口の約11%が東京に集まっています。
調剤薬局市場としても、国内最大の市場です。

よって様々な調剤薬局が存在しますが、特に大手は東京の特定地域でドミナント戦略(特定の地域に集中して出店)に基づき出店するケースも多く、あらゆるタイプの出店形態で競合が生じています。

ただし人口の約11%が集中するというバックグラウンドがあるため、競合はあってもある程度の経営は維持されている、という側面もあります。

参考URL:
東京都「東京都の人口(推計)」の概要(令和2年6月1日現在)
総務省統計局「人口推計(令和2年(2020年)7月確定値,令和2年(2020年)12月概算値) (2020年12月21日公表)」

調剤薬局業界におけるM&Aのメリット

調剤薬局業界におけるM&Aのメリット

ここからは、調剤薬局のM&Aにおけるメリットについて、買い手と売り手の双方の視点から解説いたします。

買い手側のメリット

新規出店の場合、売上が安定するまで一定の時間が必要です。

しかし、調剤薬局を買収することで、買収側は新規出店に比べ時間をかけずに売上の確保ができます。

すでに業績の安定した調剤薬局であれば、新規出店の時ほど集客のための施策を考える必要がないのもメリットと言えるでしょう。

売り手側のメリット

他の業界に比べ、大手の寡占化が進んでいない調剤薬局業界では、中小の事業者が多い状態にあります。

高齢化社会の進展を受け、経営者の高齢化が進んでいますが、調剤薬局は地域医療を支える存在でもあります。

経営者の高齢化という理由であっても、簡単に店じまいの決断は下せません。

しかし、調剤薬局を売却することで、経営者は調剤薬局を閉鎖することなく自らの引退が可能です。

また、多くの場合で所有する株式を買収先に売却することになるため、株式売却代金を引退後の生活資金に充当することもできます。

M&Aの主な手法

M&Aの主な手法

M&Aには株式売却事業譲渡の2種類の方法が存在します。

株式売却

M&Aは買い手企業に対し、売り手企業のオーナー(経営者)が所有する株式を売却して行われることが一般的です。

株式の売買は会社そのものを売買することと同一であり、株式の評価額の議論は必要となるものの、株式譲渡の手続きのみでM&Aが可能です。

よって、中小調剤薬局のM&Aはほとんどが株式売却で行われます。

事業譲渡

事業譲渡は経営を多角化している企業などが、特定の事業部門を売却する際に主に活用されます。

ただし、企業分割手続きが必要となるため、株式売却に比べると手間がかかるM&A手法です。

調剤薬局事業のみを行う中小調剤薬局では、事業譲渡によるM&Aの活用事例は少ないといえるでしょう。

東京における調剤薬局のM&A成功事例

東京における調剤薬局のM&A成功事例

東京における調剤薬局のM&Aの成功例として下記の3事例を解説いたします。

東京の調剤薬局のM&A成功事例①:株式会社ココカラファインによる複数のM&A

ドラッグストア大手の株式会社ココカラファイン<3098>は調剤薬局を積極的に買収しており、2020年8月に有限会社クレストファーマシー(練馬区)から調剤薬局事業を買収しました。

また、それまでにも2019年に有限会社小石川薬局(新宿区)の買収、2016年に有限会社東邦調剤(国分寺市)の買収を行うなど、M&Aを活用することで着実に調剤薬局事業を拡大しています。

参考URL:
ココカラファイン「調剤薬局事業の譲受に関するお知らせ」
ココカラファイン「調剤薬局事業を展開する有限会社東邦調剤の株式取得に関するお知らせ」
ココカラファイン「調剤薬局を展開する株式会社小石川薬局の株式取得に関するお知らせ」

東京の調剤薬局のM&A成功事例②:株式会社日本調剤による2019年の3社の買収

調剤薬局業界第2位の株式会社日本調剤<3341>は、2019年に株式会社薬栄(新宿区)、株式会社新栄メディカル(武蔵野市)、有限会社センチュリーオブジャスティス(渋谷区)の3社の子会社化を発表しました。

3社は、東京都を中心に調剤薬局19店舗を展開しており、3社を子会社化することで株式会社日本調剤は首都圏での調剤薬局事業の強化を果たしています。

参考URL:
日本調剤株式会社「株式会社薬栄、株式会社新栄メディカル及び有限会社センチュリーオブジャスティスの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

東京の調剤薬局のM&A成功事例③:株式会社アインHDによる合同会社水野の買収

2016年、調剤薬局最大手の株式会社アインHD<9627>が、合同会社水野(文京区)を買収しました。

合同会社水野は、調剤薬局2店の経営ながら国内最初の調剤薬局として著名な存在であり、業界最大手企業による老舗調剤薬局の買収として注目を集めることになりました。

参考URL:
日本調剤株式会社「合同会社水野 子会社化について」

東京都の調剤薬局でM&Aを検討している場合は?

東京都の調剤薬局でM&Aを検討している場合は?

東京都の調剤薬局がM&Aを検討する場合、“マッチングサイトの活用”と“M&Aの専門家の活用”の2つの方法が考えられます。

それぞれを解説していきましょう。

マッチングサイトに登録

近年、マッチングサイトを活用したM&Aの件数も増えています。

ただし、中小規模や個人ベースでの活用に留まっている点、また売却側は待ちのスタンスとなるため、M&Aの実現には至らない可能性も高い点に注意が必要です。

M&Aの専門家に相談するのがおすすめ

調剤薬局のM&Aは、M&A仲介会社などM&Aの専門家を経由するケースが今も多数です。

M&A専門家に相談することで、事前の注意点などが明確になり、また実現可能性の高い候補先の紹介を受けることができ、最終的な売却可能性が高まるためです。

マッチングサイトの活用に比べ手数料は高くなりますが、“M&Aを実現する”という観点では、M&A専門家の活用が有効といえるでしょう。

まとめ

国内人口の約11%が集中する東京では、調剤薬局に対する多様なニーズがあるため、大手から中小まで様々な規模の調剤薬局が存在します。

しかし、経営者の高齢化などもあり、大手による中小調剤薬局のM&Aが増加しています。

調剤薬局経営者の高齢化は今後も確実に進むため、東京における調剤薬局のM&Aもこれまで同様、もしくはこれまで以上に増えるのではないでしょうか。

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