高齢化社会の到来により、介護市場は国内では数少ない成長市場となっています。

成長市場且つサービス内容が多岐に渡る介護市場では、M&Aが多く行われています。
今現在、介護市場でのM&Aを検討している方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、介護/老人ホームのM&Aを中心に、その手続きや注意点などを解説いたします。

介護/老人ホームのM&A とは

老人ホームのイメージ

介護業界は小規模事業者の数が多い中で、大手企業や新規事業者の市場参入や規模拡大意欲が旺盛であり、M&Aが積極的に行われています。

介護業界のM&Aでは、下記3つが代表的なパターンです。

  • 既存事業の拡大を目指してのM&A
  • 既存事業の周辺事業参入に向けてのM&A
  • 介護業界への新規参入のためのM&A

上記の「1.既存事業の拡大を目指してのM&A」は、老人ホーム運営などの事業者が同業他社をM&Aすることで事業拡大を目指すものです。

また介護業界はサービス種類が非常に多い業界です。

よって「2.既存事業の周辺事業参入に向けてのM&A」は、他の介護サービス事業者をM&Aすることで顧客に対し様々なサービスメニューの提供が可能になり、顧客の利便性向上及び収益の多角化が可能です。

そして高齢化社会を迎えている日本では、介護業界は国内では数少ない成長産業です。
よって「3.介護業界への新規参入に向けてのM&A」を行い、新規事業として介護事業をスタートさせる企業もあります。

介護/老人ホームのM&A の手続き・流れ

老人ホームの書類のイメージ

介護/老人ホームのM&Aは、一般的には下記の流れで行われることが多いといえます。
ただしM&Aはケースバイケースの部分も多く、他のプロセスが入るケースもあります。

  1. M&A専門家への相談
  2. 候補先の選定及び交渉
  3. デューデリジェンス(候補先の調査及び評価)
  4. 最終契約の締結
  5. 受け渡し

上記①について、M&Aを行う際は専門家であるM&A会社のサポートを受けるケースが殆どです。
案件の紹介のみならず、M&Aプロセスのサポートを受けることで、スムーズなM&Aが可能となります。

また③のデューデリジェンスについては、初期段階のデューデリジェンスを行い基本合意書を締結した後に、本格的なデューデリジェンスに入るケースもあります。

介護/老人ホームのM&A の確認書類一覧

介護/老人ホームのM&Aを行う際に確認すべき資料について、代表的なものを下記に取り上げました。

  • 決算書及び税務申告書
  • 月次残高試算表
  • 資金繰り表
  • 事業所別介護給付費等支払い明細書
  • 入居者やサービス提供者一覧
  • 組織図
  • 従業員名簿
  • 施設の見取り図や写真
  • 固定資産台帳
  • 登記簿謄本(会社・不動産)
  • 会社定款
  • 会社案内、パンフレット
  • 料金表
  • 代表者略歴

決算書や謄本など企業実態が分かる資料、入居者名簿や料金表などのサービス実態が分かる資料を中心に確認が必要です。

また場合によっては、売り手側の中期事業計画書の提出を求められる場合もあります。
これら資料に基づき買い手側はデューデリジェンスを行います。

介護/老人ホームのM&A の注意点

老人ホームで働く女性

介護/老人ホームのM&Aにおいて、M&Aが株式譲渡で行われる場合は、売り手側の許認可や契約はそのまま継続されることが殆どです。

しかし事業譲渡でM&Aが行われる場合は、改めて行政からの許認可や取引先との再契約が必要となるケースが少なくありません。

特に行政の許認可を再度受ける必要が生じる場合は、逆算して許認可を得るのにどの程度の時間が必要なのか、という点を踏まえた上での手続きが必要です。

M&Aを行ったものの、再度の許認可取得のためにM&A後に対象事業の展開ができない期間が生じる、という事態を避けるために、M&A後のスケジュールも含めたプロセス管理が必要です。

許認可や各種契約の存在を考えれば、事業譲渡よりも株式取得がM&A後のプロセスは簡単です。

しかし中堅企業などが一事業部門として介護事業を展開しているケースも少なからずあり、事業譲渡によるM&A検討も避けて通ることはできません。

介護/老人ホームのM&A ならCBパートナーズへご相談ください

介護保険が関係する介護/老人ホームのM&Aは、行政との折衝が必要なケースもあるため、その手続きに精通したアドバイザーが必要です。

国内にも様々なM&A会社が存在しますが、介護/老人ホームなどに特化したM&A会社の数は限られます。
ぜひ、医療及び介護/老人ホーム、調剤薬局に特化したCBパートナーズにお気軽にご相談ください。

まとめ

介護事業は国内で今後も伸びが期待できる事業分野であり、介護/老人ホームのM&Aや事業譲渡は毎年頻繁に行われています。

ただし介護保険が関係するため、行政との折衝や許認可が必要となるケースがあるなど、純粋な民間企業同士のM&Aに比べ一手間が必要となるケースもあります。

また介護事業はサービス分野が多岐に渡るため、同業他社をM&Aするのか、また周辺のサービス領域の企業をM&Aするのか、というM&A戦略についても十分な検討が必要です。

介護/老人ホームのM&Aを成功に導くためには、経験豊富なM&A会社をパートナーに選び、アドバイスを受けながら進めることをおすすめします。

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