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一般社団法人の承継支援について・対価の支払い方法

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そもそも一般社団法人は事業承継することが可能なのか

結論としては、一般社団法人でも事業承継が可能です。
しかし、注意しなければいけないのが、対価を得ることが難しいということです。
そうなると、1円もお金をもらえないのか?と思われるかもしれませんが、そういう訳でもありません。
順を追ってみていきましょう。

一般社団法人を第三者に承継するための方法と対価の支払い

一般社団法人は、株式会社や有限会社のような、営利法人と違って非営利法人であるため、営利法人のように、会社或いは一部事業を承継して、その分の対価を得るという事はできません。

皆様のなかには、社会福祉法人の事業承継を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、一般社団法人も社会福祉法人も、同じ非営利法人であるため、営利法人と同じように対価を得ることはできないのです。
しかし、これらの非営利法人は、法人にある事業所のうちその一部を切り離す場合は、その事業所の付随資産を簿価(又は時価)で売り渡すことは可能です。

また、法人そのものを承継したい場合は、「退職金」という形に限って「実質的な対価」を受け取ることが可能です。

退職金をほとんど支払うことができないケースに注意

先ほど、退職金を支払うことで「実質的な対価」を得られるという事を説明いたしましたが、注意しなければいけないのが、法人内で退職金規定を定めているか否かで実際に払える金額が大きく変わるケースがあるという事です。
具体的にみていきましょう。

小規模の一般社団法人に多いパターンとして、理事の給与を役員報酬と従業員給与で構成しているケースが見受けられます。
特に気を付けなければいけないのが、従業員給与として毎月20万円受け取り、役員報酬は毎年変更するようになっており、景気が良ければ毎月20万円もらい、景気が悪ければ5万円にしているような法人です。

まず、退職金の計算は従業員給与と役員報酬でそれぞれ金額を分けて行う必要があります。
「退職金」と「役員退職金」です。
「退職金」は従業員給与を基準として計算しますが、そもそも退職金規定が無ければ支給自体が困難であるため、退職金規定を定めていない場合は支給することは困難です。
「役員退職金」は退職金規定が無くても支給が可能ですが、直近の役員報酬月額を基準に算出するため、不景気だからといって役員報酬が5万円に下がっていると、退職金が100万円以下になることもあり得ます。

退職金を支払う事で「実質的な対価」を得ることができる!

以上の通り、一般社団法人を承継する場合は退職金を支払う事で「実質的な対価」を得ることができますが、規定の有無や、役員報酬額によっては対価を得ることがほとんどできないケースがあります。

弊社では医療介護における専門的な法人の承継経験が多数ございます。
一般社団法人に限らず、合同会社や医療法人、社会福祉法人の経験がありますので、些細な事でも是非ご相談ください。