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<介護・ご譲渡>従業員と利用者様を守るために――廃業か譲渡か、迷いの中で実現したM&A

築山 裕次 様

愛知県でデイサービスと訪問介護を運営されていた介護法人の代表取締役、築山 裕次様。(以下、築山様)
約18年間にわたり地域の高齢者とそのご家族を支えてこられましたが、2024年3月に愛知県内で介護事業を展開する法人へ株式譲渡されました。

今回のインタビューでは、築山様がどのような経緯でご譲渡を決断されたのか、またM&Aの過程で感じたこと、そして譲渡を終えた今の率直なお気持ちについてお伺いました。

譲渡法人

本社所在地

愛知県

業態

デイサービス、訪問介護

譲渡理由

後継者不在、資格人材不足

ストラクチャ

株式譲渡

事業をご譲渡しようとお考えになったきっかけや背景を教えてください。

私自身が代表として事業を立ち上げ、18年目を迎えたとき、当社の役員でもあり施設の運営を任せていた管理者が体調を崩し、業務を続けることが難しくなってしまいました。

回復の見通しも立たず、私ひとりでは会社を回すことが困難な状況になり、その中で『このまま会社をたたむのか、それともM&Aを検討するのか』という二者択一の判断を迫られ、譲渡について真剣に考え始めました。

ご譲渡と廃業の二者択一で、なぜ「譲渡」を選ばれたのでしょうか?

何よりも優先したのは、従業員の雇用と利用者様の安心を守ることでした。ありがたいことに利用者様からの評判も良く、頻繁にご利用いただいていたため、廃業となれば大きな迷惑をかけてしまうことになります。

ただ、過去に別事業で一度M&Aを経験していたため、成立までに時間がかかることは理解していました。そのため、とにかく時間がなかった当時は、正直な気持ちとしては廃業寄りで、並行してM&Aも試してみる、といった状況でした。

もし廃業するなら年度の区切りである3月に、と考えていましたが、残り半年しかなく、その短期間でM&Aを成立させられるのかという不安も大きかったです。それでも迷いながら、従業員と利用者様を守るために譲渡に向けて動き、結果的に譲渡先が見つかり、本当によかったと感じています。

築山様インタビュー時の様子

弊社(CBパートナーズ)との出会いのきっかけを教えてください。

廃業かM&Aかを検討していたとき、たまたま地元に介護事業のM&Aサポートをしている会社があり、まずそちらに相談しました。その際も廃業を視野に入れつつ、二者択一で進めている状況を正直にお伝えしていましたが、残念ながら条件が合わず、ご縁に至りませんでした。

その後、その会社からCBパートナーズさんをご紹介いただいたのが、出会いのきっかけでした。

―弊社アドバイザーの対応やサポート体制はいかがでしたか?

今回のM&Aにあたっては、以前に別事業でM&Aをサポートいただいた業者、最初にM&Aの相談をした地元の介護事業者さん、そしてCBパートナーズさんの3社とお話しさせていただきました。大手のM&A業者は細かい部分を非常に吟味する印象で、その分、動きづらさを感じ、「本当にこのままM&Aが進むのだろうか」と不安になる場面もありました。

その点、CBパートナーズの担当の方は、時間が限られた中でもスピード感を持って本当に一生懸命に取り組んでくださいました。最初にお会いしたときに『介護のM&Aに強い会社です』とおっしゃっていたのも印象的で、実際に細部まで丁寧にサポートいただき、とても心強く感じました。結果的に短期間で2社もの譲渡先候補を探してくださり、すぐ面談まで進むことができました。

築山様インタビュー時の様子

ご譲渡を進める上で、特に大切にされていた条件や希望は何でしたか?

一番大切に考えていたのは、従業員の雇用の確保と利用者様への継続的な対応です。

譲渡後にオーナーが変わると、どうしても従業員が退職してしまうケースがあります。もし施設内で中心的な役割を担っていた従業員が退職すると、新しく入った方ではすぐにその穴を埋めることは難しいです。

利用者様も職員に対して強い信頼や思い入れを持たれていると、『前はあの人がこうしてくれた』といった声が出ることもあります。それがケアマネジャー経由で会社に伝わると、施設全体の雰囲気を左右してしまうんですよね。ですから、施設の雰囲気を壊さず、むしろ『前より良くなったね』と利用者様に言っていただけるような状態であってほしいと強く思っていました。逆に愚痴のような声が出てしまうと、やはり心苦しく感じてしまいますから。

買手様の印象や最終的に譲渡先として、ご決断された決め手は何でしたか?

買手様の代表の第一印象は、とても前向きで、意欲にあふれた方だと感じました。

また、当時の施設の管理者も代表に対して安心感を抱いていたことが、大きな決め手になりました。面談の時に『私に任せてもらえれば!』と力強くおっしゃってくださり、その前向きな姿勢に期待を寄せ、譲渡を決断しましたね。

ご譲渡を終えて、現在の率直な気持ちをお聞かせください。

会社の代表を降りたことで、肩の荷がすっと下りたような安心感があります。譲渡後は運営に関して一切関与していないですが、デイサービスの送迎を手伝っているため、利用者様や従業員から、いまだに「社長!」と呼ばれることもありますが…..。

とはいえ、施設が私の目に届く場所にあるので、譲渡後もつい気になってしまいます。現状は少し大変な状況かもしれませんが、会社が少しずつ前に進んでいくことを応援しています。

今後新たにチャレンジしてみたいことやライフプランなどがあれば教えてください。

今後については、まず所有している(譲渡した)施設の老朽化が進んでいるので、なんとかしたいと考えています。また、もう一つ所有している土地についても、アパートを建てるのか、新たに事業を始めるのかなど、活用方法を模索しているところです。

ライフプランとしては、現在71歳なので、75歳くらいには悠々自適な生活を楽しめればと思っています。友達と飲みに行ったり旅行に行ったり、町内会長の役目も終えて、すべての肩の荷を下ろして自由に過ごすことが当面の目標ですね。

さいごに、事業承継や譲渡を検討している方に向けてアドバイスやメッセージをお願いいたします。

築山様インタビュー時の様子

私が一番伝えたいのは、M&Aは時間をかけてじっくり進めることが大切だということです。

今回私はやむを得ない状況でM&Aを決断しましたが、時間がないなかで進めるとなると、どうしても見切り発車になり選択肢が狭くなってしまいます。2度のM&Aを経験して感じるのは、やはり1~2年くらい時間をかけてじっくり話を進めるのが理想的だということです。時間に余裕があれば、よりベストな相手を選ぶこともできますから。

また、子どもに事業を継いでもらおうと考えている場合でも、早めに準備を始めることをおすすめします。『本当に継いでくれるのか』という不安がある中で、もし継がないとなったとき、急にM&Aを進めようとしても、余裕がなくなり難しくなります。

今回、私はご縁に恵まれ譲渡することができましたが、なかにはうまくいかずに廃業に至ってしまったケースもあると思います。『どうしよう、どうしよう』と迷い続けるのではなく、M&Aをするのか、もし良い相手が見つからなければ廃業するのか。早めに選択肢を整理し、腰を据えて前向きに動き出すことが大切だと思います。

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