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M&Aによる介護事業拡大・前編 ~絶好のタイミングで出会った縁~

工藤建設株式会社

2019年3月に東証二部上場の工藤建設株式会社様(以下、工藤建設)は、介護付き有料老人ホーム6施設を運営していた株式会社ロケアホーム(以下、ロケアホーム)をM&Aで取得しました。本記事前編では、工藤建設の介護事業部長も務める藤井研児取締役執行役員に、本件に着手したきっかけや経緯を伺います。

譲受企業

エリア

東京都、神奈川県

業態

総合建設業(建築、土木等建設工事の請負)、建物総合管理業、不動産業、介護事業
(東証二部上場)

譲受後の状況

工藤建設株式会社の介護事業部門の中核として運営

譲渡企業

エリア

東京都、神奈川県

業態

介護付き有料老人ホーム、サービス付高齢者住宅、訪問介護

譲渡理由

対象事業の発展を考え、よりシナジーを生み出せる買手企業への譲渡を決意

ストラクチャ

事業譲渡

■「お客様への恩返し」で始めた介護事業

―工藤建設様の概要をお聞かせください。

当社は神奈川・東京を中心に、総合建設業、建物総合管理業、不動産業、そして介護事業を営んでいます。創業は1966(昭和41)年で、2016年には創業50周年を迎えました。もともとは土木業から始まったのですが、都市開発により、横浜市緑区がロードサイドの大きな建物から個人住宅を建てるニュータウンへと変貌していったように、当社も総合建築工事会社へと変化していき、地域密着型の会社として成長してきました。

―介護事業を始められたきっかけは何だったのですか?

個人住宅事業を拡大させ始めてから30年、40年と経過すると、住宅建設の仕事をいただいた地主の方々の高齢化が進んできました。30歳の時に家を建てられた方は70歳、50歳の方は90歳になったわけです。そして当社の創業者・工藤五三は「お世話になったお客様に恩返しがしたい」と老人ホームの建設・運営を始めたのです。地域密着型企業として、「住まいに関わることは全部やる」というポリシーに基づき、介護事業を始めました。

―当初はどのような形で介護事業に乗り出したのですか?

老人ホームを自前で作って、自前で運用するという形です。2003年に18床のグループホームを作ったのが最初で、定員20名のデイサービスなど、比較的小規模なものからのスタートでした。地主さんが建てた建物を一括借り上げし、オーナーにとっては30年の長期安定資産として運用できるものでもありました。その後は年に1件くらいのペースで進め、4棟目まではこの形式でした。

 

■M&Aを利用して実現された規模拡大

―介護事業の拡大は順調に進んできたのですね。

一括借り上げのスキームは上手くいき、合計で200床くらいまでは順調でした。しかしそこから更に拡大させていこうと考えた場合、どうしても時間がかかってしまうという問題に直面しました。施設のオーナーとなる地主さんと交渉を始めてから、完成までに2年は必要だったのです。建設工事を当社も受注するわけですから、会社としてのメリットは大きなものでしたが、短期間で介護事業を拡大させるには不向きな方法でした。

―認可も難しかったとお聞きしましたが…。

はい。創業者の哲学として「要介護状態になられたお客様を受け入れるための施設」を建てる、というものがありましたから、介護付き有料老人ホームが必要となります。しかし当時は同様の施設が乱立した時代でもあり、認可が下りなくなってきたのです。案件があって2年かけて建てようとしても、認可が取れないとどうしようもなく、長く待てば待つほど収益性も悪化していったのです。

―そこでM&Aによる事業拡大を図られたのですね?

短期間で必要なものの譲渡を受けるという大きなメリットに魅力を感じました。認可付きの既存の老人ホームを買収した最初のM&A案件は2007年ごろ。短期間で、お客様もある程度は入居していて、職員も一緒に確保できるという大きなメリットを感じましたね。この後の介護事業の拡大は非常に上手く進みました。

―具体的には、どれくらいのペースでM&Aを進められたのですか?

今回の案件の前までには、自己開発物件が6件、M&Aによる物件が5件でした。決してM&Aだけに集中するというわけではなく、良い案件があれば自己開発も進めるというスタンスです。

―M&Aによる介護事業取得のメリットはどのようなものですか?

まず、先ほどの話にもあったように、認可が下りるのを待たなくて良いというメリットがあります。そして一番強く感じたのは、資金面での展開が早いということです。譲渡を受けて施設を開設すると、その月から粗利を出すことができます。自己開発の施設ではお客様(利用者)を集めるまではキャッシュアウトが続き、それを勘案した投資と考えなければならないのですが、M&Aの場合、ほとんどのケースでは最初から利用者がいる状態となるので、この点は非常に大きなメリットだと感じました。

―運営の面でもスピーディに進みますよね?

介護施設の運営において、大きなコストは人件費と家賃です。自己開発の施設ではオープンした時点から家賃は100%かかりますし、人員も100%確保して始めなければならないですから、スタート時点で大幅なキャッシュアウトです。1カ月で満室になれば良いのですが、1年かかってしまうような場合には、粗利が出るのが1年から1年半後になってしまいます。累積した赤字を補って黒字化するのは2年から3年が必要です。一方でM&Aの場合はのれん代が必要になりますが、長期で償却することが可能ですから、PLをあまり汚さない、ストレスも少ない方法だと思います。

 

■タイムリーな案件紹介でつかんだ絶好の縁

―今回、ロケアホームの施設をM&Aで取得されましたが、重視した点は何ですか?

当社が介護事業において施設を取得する場合、主に3つの点に着目して選びます。まずは特定施設として認可を受けた介護付き有料老人ホームであること、次にエリア、そして施設の規模です。認可については前述の通りですが、介護施設はエリアも非常に重要な要素となってきます。

―大手も含めて、介護施設の展開はドミナント戦略を強めていますね。

そうですね。当社は地域密着型企業として建設業を始めとするすべての事業を展開していますが、いずれも横浜を中心とした神奈川と東京のエリアです。介護施設は近くに同等の施設があることで相乗効果が得られるため、案件を選ぶ際にエリアは欠かせない要件となります。

―具体的にご説明いただけますか?

当社が介護事業を始めたばかりの初期の頃、横浜の港南台にひとつの自己開発物件を開設しました。ところが営業をしても、近隣に施設がないので、ここが気に入らなかったお客様に別の選択をご紹介することができなかったのです。すると営業マンの働きも無駄になり、ある意味では宣伝広告費も無駄が多いという状況でした。しかし今回、M&Aによってこの近隣に施設を構えることによって、ここが気に入らなかったら別の施設をご提案することができ、またその逆もあり、相乗効果によってエリアの老人ホームはほぼ満室になりました。

―近隣に施設があることで、職員の配置も楽になりますね。

どうしてもシフトによるやりくりや異動が必要になった場合、遠くだと難しかったのですが、近隣施設だと比較的スムーズに進めることができます。この点も、今回のM&Aによる良い効果だと考えています。

―このような案件が仲介会社から紹介されることは多いのですか?

実はあまりないのです。こちらが提示している、あるいは考えている条件に沿った施設を紹介されることは少なくて、どちらかと言えば、仲介会社が売りたい物件を手当たり次第に流しているのではないかと思うくらいです。ところが今回、CBパートナーズさんから紹介された施設は、以前私がお会いした担当の方に伝えていた希望に沿ったもので、忘れないでいてくれたというご縁を感じました。ちょうど介護事業を積極的に進めようとしている時で、タイミングも素晴らしかったです。

―契約書を当社までご持参いただいたのも印象的でした。

普段は計画を立てて、会社の事業スキームの元に、非常にロジカルに仕事を進めています。でも「これは良い!」と感じた時には、エモーショナルな世界で感性を大事にして、スピーディに動かなければならないと考えています。少しでも早く、熱意と誠意が伝わるように、という思いで訪問したことを覚えています。もちろん、当社の希望や条件そのままの物件を提示してくれたからであって、そうでなければ動いていません。絶好のタイミングで訪れたこの縁を大切にしたかったのです。

―M&Aの手続きや、その後の運営も順調ですか?

そうですね、手続きは問題なく進みました。施設の相乗効果もあり、非常に順調な滑り出しをすることができました。

(後編では、介護事業におけるM&Aの勘所をご紹介しています。ご一読ください)

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