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<インタビュー>兼ねてより目指していた認知症高齢者グループホームの運営を、事業譲受により実現

株式会社エイルサポート

株式会社エイルサポート(愛知県名古屋市)は、2022年6月より、認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護、以下「グループホーム」という)「グループホームゆりかご(愛知県日進市)」を事業譲受し、運営をスタートされました。総量規制により新規で立ち上げることが難しいグループホームの運営を事業譲受という選択肢で形にされました。そこにかけた想いや今後の展望について、代表取締役 仲筋 圭 様(株式会社エナジィー 取締役)にお話を伺いました。

譲受企業

本社所在地

愛知県

業態

住宅型有料老人ホーム、訪問介護、通所介護、居宅介護支援事務所、日中サービス支援型障がい者グループホーム、認知症高齢者グループホーム

譲受後の状況

既存事業所とも連携しながら運営

夢の実現と引退、やりがいを胸に介護業界でスタートした新たなチャレンジ

―介護業界参入のきっかけについて教えてください

当社親会社の株式会社Eグループと、株式会社エナジィーで代表取締役を務める本田 和寛が訪問介護事業を起こしたことが、当社グループが介護業界に参入したきっかけです。代表はもともと、介護業界とは全く異なる業界で経験を積んでいました。その後、プロボクサーとして活躍する傍ら、ホームヘルパーとして勤務をしていました。そして引退後に訪問介護事業を開設しました。

気配りをして、身体を動かして人のお世話をする。相手から「ありがとう」という言葉が返ってくる。それがどれほど嬉しいことか、人の役に立つ介護の仕事にやりがいを感じ、株式会社エナジィーを創業後、株式会社エイルサポート・株式会社e-smileを設立しました。それから、3つの福祉事業会社を統合し、グループ化に伴い株式会社Eグループを創業しました。

―介護業界参入当初から、事業拡大を視野に入れていましたか?

当初は、目の前の業務をやり遂げることに精一杯だったので、事業拡大まで検討することができませんでした。株式会社エナジィーにてデイサービスを事業譲受し、管理者として勤務をしていた頃は目の前のことで精一杯でした。基盤も整っていないなかで、上手く事業を軌道に乗せることができなければ、経営に大きなダメージが生じると、プレッシャーも感じていました。そのため、いかに利用者様を獲得していくか、そのことばかり考えていました。

利用率が100%に近づいたのは運営がスタートして約半年が経った頃でした。その頃から次第に、事業拡大についても視野に入れ始めました。私自身も株式会社エナジィーの取締役に就任し、新規施設の開設を進め、運営も軌道に乗せることが出来ました。その後は人材の採用や事業拡大についても積極的に進めています。
2020年に株式会社エイルサポートの代表取締役に就任してからはエイルサポートの事業拡大を進め、12期目を迎えた現在、事業所数はエイルサポートで6事業所、Eグループ全体では20事業所を超えました。

―事業拡大を進めていくなかで、苦労された点はありますか?

当初は、施設の数も少なくまだまだ認知も進んでいなかったため、入居者様の獲得では苦労が絶えませんでした。入居率が95%に達した際には、当時施設長を務めていた私自身も非常に嬉しかったことを覚えています。

事業譲受のメリットは「法人の基盤も引き継げること」

―事業拡大する際に、新規立ち上げではなく事業譲受という選択をした理由を教えてください

二点あります。一点目は、希望する業態のお話だったことです。兼ねてよりグループホームの運営に積極的にチャレンジしたいと考えていましたが、総量規制により新規で立ち上げることができませんでした。そんななか、CBパートナーズのアドバイザーの方に本件を紹介いただきました。

二点目は、地域性です。実は、「グループホームゆりかご」の所在地周辺は、私にとって馴染みが深い場所でした。思い出深いこのエリアで、新たな挑戦をすることも何かのご縁だと感じました。

―事業譲受について、メリットに感じている点は何ですか?

グループホームの運営は、今後も積極的にチャレンジしていきたいです。総量規制により許認可を取得することが難しいなかで、事業譲受という選択肢で既存のグループホームを引き継げることはメリットだと感じています。公募が出たとしても、競争率が高いので、必ずしも当社が運営できるとは限りません。そのため、公募を待たずにチャレンジできることは魅力に感じています。また、職員をはじめ、これまで築いてこられた法人の基盤を引き継げることや、「グループホームゆりかご」は当社の既存施設からも近いので、人材の循環を考えた時にも、良いお話だと感じましたね。

既存文化に新たな風、職員や組織に浸透させていく過程には苦労も

―事業譲受に際し、苦労された点はありますか?

長きに渡り形成されてきた文化に、新たにエイルサポートの文化を織り交ぜ、職員・組織に浸透させていくことには苦労がありました。既存の文化とエイルサポートの文化とでは、生まれ育った環境が異なるので、運営方針や考え方、制度等で相違点は必ずあります。その差を埋めていくことには苦労しました。

―具体的に、どのように解決されましたか?

事業譲受後も、これまで「グループホームゆりかご」を運営されてきた方と頻繁に、意見・情報交換をしました。私たちの運営方針や想いについて、既存職員ともコミュニケーションを取り、進めてきましたし、そのなかでもまずは、管理者と密にコミュニケーションを取りましたよ。

事業を引き継いだ私たちにとっては、既存組織に新たに加わる形になるので、まずは管理者に私たちの運営方針や考え方、想いについて理解を深めてもらいました。そして、私から他職員に直接伝えにくいことや、伝わりづらいことについては、既存職員とも私とも、ある程度関係性のある管理者から他職員に伝えてもらいました。管理者に間に入ってもらえることで解決できたことも多いですね。文化形成にかかった期間が長ければ長いほど、新しい文化を受けいれるのに時間を要するので、コミュニケーションを取りながら慎重に進めました。

―実際に、職員や利用者様・入居者様からはどのような声があがっていますか?

職員からは、マイナスの意見を預かったことはありません。利用者様、入居者様からも「運営母体がエイルサポートに代わったことで不便はないし、これまで以上に職員とのコミュニケーションの機会が増えた印象があるため、安心して任せられる点が良かったと感じている」という声をいただいています。そのような声をいただけて、非常に嬉しく思っています。

―現在、課題に感じていることはありますか?

二点あります。一点目は、人材が不足しているので採用を強化する必要があると考えています。今年の4月から、職員の働きやすさや安心、さらにグループ全体の発展のため、新人事制度の運用をスタートしました。こちらも活用しながら、人員増、事業拡大を目指していきたいと考えています。

二点目は、運営母体が代わったことを、他法人経営者や地域の皆さんに周知していく必要もあると考えています。コロナ禍でオフラインの交流会参加も叶いませんが、運営方針等の変化について周知し、地域との繋がりをもっと築いていきたいです。

介護事業を通して地域の皆さんへの貢献を目指す

―さいごに、今後の展望について教えてください

Eグループ全体では、愛知県で介護系事業所数No.1を誇る法人となるよう、これからも積極的な事業拡大を目指していきます。今後は年間2~4施設の開設を計画しており、来年では4施設の新規開設が決まっています。また、Eグループの経営理念である「みんなが笑顔になる介護の実現」を目指していきます。

エイルサポートでは、例えば、障がい者就労継続支援A型・B型等、他グループ会社で運営していない介護系事業所の運営にもチャレンジしたいと考えています。
また、私自身、エイルサポートの代表として、人づくりと組織体制の強化に力を入れることで、グループ化に伴うメリットやシナジー効果発揮に向けて取り組んでいきたいです。人づくりについては、今年の4月から運用をスタートした新人事制度の運用を皮切りに、進めています。さらに、組織体制強化については、理念経営を浸透させるところから始めていきます。 愛知県で、介護事業を通して地域の皆さんに貢献できるよう邁進していきます。