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デイサービス(通所介護)経営者必見!M&Aのメリット

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作成日:2024年1月30日

デイサービス(通所介護)経営者必見!M&Aのメリット

昨今の介護業界全体では、M&A(第三者承継)が活発に行われていますが、その中でも通所介護(デイサービス)事業は、経営環境の変化や事業所数の横ばいが続いていることから、介護業界の中でもM&Aのニーズの高い業態といえます。

このページでは、デイサービスを運営される経営者の方向けに、M&Aを行うメリット・デメリットについて紹介します。

デイサービス(通所介護)とは何か

まず、デイサービスの事業の概要について紹介します。

デイサービスの種類

デイサービスとは、要介護状態にある高齢者が入浴、排泄、食事等の介護サービスを受けたり、生活機能の維持・向上を目指した機能訓練を行う介護事業の業態です。

ただし、事業所ごとの対応範囲や規模感によって以下のように種類が分かれています。

  • 一般的なデイサービス
    • 大規模デイサービス (1日あたり25名以上)
    • 中規模デイサービス(1日あたり19名以上)
    • 小規模デイサービス(地域密着型通所介護)(1日あたり18名以下)
  • 認知症対応型デイサービス
  • リハビリ特化型デイサービス
  • 療養型デイサービス

利用者はニーズに合わせて利用する事業所を選ぶため、経営者は事業所を運営する地域のニーズや競合との状況に合わせて自社のデイサービス事業の特色を打ち出していくことが重要といえます。

デイサービス(通所介護)業界の動向

高齢化社会の進展に伴って需要が増加し、事業所数も増加してきましたが、2017年頃から通所介護事業所数は頭打ちとなっており、全国的にサービスの提供が行き届いたことが伺えます。ただし、デイサービスの事業所の内訳には変化が起きており、地域密着型通所介護事業の統廃合が行われ、中規模以上の通所介護事業が増加する傾向が続いています。

報酬改定との関係性

デイサービスの事業の内訳の変化には、報酬改定が大きく関わっています。2015年に行われた改定によって、それまで好調だった地域密着型通所介護事業の経営が難しくなるケースが散見されました。

その結果、小規模デイサービスの事業所の統廃合が発生し、デイサービス業界全体の状況変化に繋がりました。こうした突然の経営環境の変化に対して、M&Aを用いた経営戦略や業態の変更は相性がいいため、M&Aのニーズが高まる要因といえます。

デイサービス(通所介護)のM&Aを行うメリット・デメリット

デイサービスの業態において、M&A(第三者承継)を行うメリット・デメリットについて紹介します。

メリット

デイサービスを第三者に承継するメリットは大きく分けて3つ挙げられます。

後継者問題を解決できる

日本の中小企業経営者は年々高齢化しており、介護事業に限らず、多くの中小企業で後継者問題は顕在化した経営課題となっています。経営者の引退や逝去による事業の不安定化を防ぐため、M&Aは理想的な解決策の1つといえるでしょう。自身の後継者を育てることは想像以上に難しく、能力の面で優れている人材が見つかったとしても、借入の連帯保証など経営者としての責任・リスクを了承してくれない可能性もあります。

そういった点からも、後継者問題を解決できるM&Aは現実的な選択肢といえます。

売却益を獲得できる

デイサービス事業を第三者に譲渡することによって、経営者は売却益を手に入れることができます。法人から一部の事業所のみを切り離す形での譲渡の場合、売却益は別事業の拡大や新たな事業展開のための資金として利用できます。また、事業を売却したあとに自身が引退する場合、売却益をリタイア後の資産として確保することで、より余裕をもった生活を営むことができるようになります。売却益の獲得は、IPO以外ではM&Aしか得ることのできないメリットであるため、中小企業経営者にとってM&Aは魅力的な選択肢といえるでしょう。

スキルやノウハウの共有ができる

シナジー効果のある相手先との事業承継を実現することができれば、自社の資源やノウハウを後世に引き継ぎ、社会に必要な事業を残すことができます。新しく引き継いだ第三者が、ゼロからノウハウを構築するのではなく、これまで得てきた知見を獲得して経営に参画することで、よりスピーディな事業展開が期待できます。

デメリット

第三者に対する事業承継を行うデメリットも存在しますので、紹介します。

従業員の雇用条件や環境の変化

デイサービスを第三者に承継する場合、影響を受けるのは経営者だけではありません。それまで一緒に働いていた従業員にも大きな影響を及ぼします。新たな経営者や親会社の元で運営を継続していく場合、雇用条件の変更や業務フローの大幅な変更の可能性があり、従業員のモチベーション低下や離職率の上昇といった問題が生じる場合があります。このような状況にならないよう、従業員にとって不利益な雇用条件の変更は行わないように契約書に記載することも可能です。高度な交渉が必要になるため、第三者への承継をご検討の場合は介護事業の事業承継支援を専門に行っている会社への相談をおすすめします。

デイサービス(通所介護事業)の第三者承継の流れ

デイサービスの第三者への承継は、以下のような流れで進んでいきます。

  1. 仲介業者の選定方法と契約の締結
  2. 買収候補の選定
  3. TOP面談・条件交渉
  4. 基本合意書の締結
  5. デューデリジェンスの実施
  6. 最終合意書の締結
  7. クロージング

1つずつみていきます。

仲介業者の選定方法と契約の締結

まずは、事業承継を支援してくれる仲介業者やコンサルティング会社を探していきます。第三者への事業承継は自身のみで進行することも可能ですが、買収候補者(企業)の数や、複雑な交渉や契約書の作成など、事業承継の専門家に依頼することがおすすめです。

事業承継の専門家は、以下の条件を踏まえて探すと良いでしょう。

  1. 介護業界(特に通所介護事業)の承継支援実績が豊富
  2. 手数料体系が明確
  3. 買収候補が多い

当てはまる条件が多い専門家ほど、自社事業の承継先を見つけてきてくれる可能性が高くなります。依頼する専門家が決まったら、事業承継支援に関するアドバイザリー契約を締結します。

企業価値の選定

実際に事業承継の話を進めていく前に、専門家の協力のもと、自社の通所介護事業の適正な事業価値を算定することで、大体どれくらいの金額で承継することができるのかを把握することができます。事業承継の話を進めてしまう前に算定を行うことで、莫大な時間と労力をかけて相手先を見つけたにもかかわらず、想定未満の金額しか提示されなかったという状況を避けることができます。

企業(事業)価値の算定は、料金が発生する専門家も少なくありませんが、CBパートナーズでは無料で行っております。ご希望の場合にはお気軽にご相談ください。

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買収候補の選定

事業のシナジーや事業の立地、希望価額などを鑑みて、譲渡先(買収候補)をリストアップしていきます。まずは、リストアップされた候補にどの会社の事業かがわからない状態(ノンネーム)で打診し、前向きに検討をしてくれる候補先を絞り込みます。その後、事業を譲渡する経営者と専門家とで話し合い、情報を全て開示して本格的に交渉を開始する買収候補先を選定していきます。

事業承継の専門家の協力を得ながら、将来の展望や企業文化、事業承継に対する熱量などを勘案して、譲渡するデイサービスを適切に運営してくれそうな相手を見つけていきましょう。この段階では、複数の買収候補先と同時並行で進めても問題ありません。

TOP面談・条件交渉

次に、譲渡する側の企業の経営者と譲受する側の企業の経営者が実際に会って、話をします。専門家も同席し、双方の経営陣と円滑なコミュニケーションを取りながら交渉が合意に近づくように支援します。

TOP面談と呼ばれるこのプロセスでは、双方の企業風土や経営者の人となりの理解を中心としたコミュニケーションが行われます。TOP面談を経て問題がなかった買収候補先と条件を交渉していくのが一般的な流れです。

基本合意書の締結

双方の合意がまとまったら、まずは基本合意(契約)書の締結を行います。この段階では、事業の譲渡・譲受に関しての法的拘束力はありませんが、事業承継の基本方針や相手先の選定が固まったという意味で合意書が作成され、次の段階へと進行していきます。

デューデリジェンスの実施

デューデリジェンスは、買収する側が譲渡対象である事業や企業に関しての情報を徹底的に調査し、「本当に買収してもいいのか?」を判断するプロセスです。デューデリジェンスは財務、法務、人事などの経営のあらゆる側面で行われ、潜在的なリスクや課題点がないかを洗い出していきます。

どの程度、どの側面でデューデリジェンスを行うのかは買収企業によってさまざまであるため、事前にすべてを対策することは難しいものではありますが、誠実に対応していくことが重要です。デューデリジェンスの状況によっては、事業承継の話自体が破談になることもあり得ます。最終合意に向けて、慎重かつ丁寧にデューデリジェンスに対応していくようにしましょう。

最終合意書の締結

デューデリジェンスの結果を踏まえ、詳細な条件をすり合わせた最終合意契約を締結します。最終合意(契約)書は、法的拘束力を持つため、この段階での契約内容に合意することは事業承継を実行することに等しくなります。

最終合意書の内容は将来的なトラブルにもなりかねませんので、専門家とも密な連携をとり、慎重に内容を精査していきます。

クロージング

最終合意(契約)書を双方が確認し、契約書を締結したら、資金や事業運営に必要な資産の移転や法的な手続きを完了させ、事業承継プロセスが完了します。ただし、クロージング後も事業のスムーズな統合と権利移転のために、従業員や顧客への説明などの対応が求められることは覚えておきましょう。

また、契約内容によっては譲渡後も事業運営のために、経営者が残る場合もあるため、トラブルにならないように注意が必要です。

【実例紹介】デイサービス(通所介護)のM&A

弊社がこれまで支援したデイサービスの承継先は多くありますが、その中でも特に住宅型施設に併設している施設では利益率が高いため、より高い評価がつく傾向があります。その理由の一つは利用者の平均介護度が高くなること、もう一つは安定して利用者の確保ができるため稼働率が増減しにくいことが挙げられます。たとえデイサービス1事業所であったとしても住宅型施設と併設の場合、2億円以上での譲渡も複数の事例がありますので、統廃合の多いデイサービスの中でも需要のある施設形態であるといえます。

では実際にデイサービスのM&A事例を紹介いたします。

ご相談の経緯
小規模デイサービスを運営されている企業様から、稼働率が悪いため切り離したいとのご相談を頂きました。しかし当時の状況では譲渡が難しいと判断したため、稼働率を上げてから譲渡することを提案させていただきました。相談から1年後、稼働状況が良くなったことから再度譲渡に向けて動き出しました。

  • 買手様の情報
    ・業態:介護事業
    ・希望エリア:近隣エリア
    ・希望事業形態:介護事業全般
    ・買収ニーズ:小規模の事業体を増やしていきたい

買手が譲受した決め手
稼働率が7割程度だったため、まだ伸びしろがあることや譲渡時点でも利益が確保できていたことから譲受を決心されました。

承継のポイント

  1. 事業を立て直してから譲渡を検討した
    最低限事業を譲渡できるまで稼働率を高めることができたことが成約に繋がったポイントでした。
  2. 譲受側が近隣で居宅支援を行っている
    譲受側企業はデイサービスを買収することで既存事業とのシナジーが期待できます。

売却後、売り手様は不採算部門であった介護事業を切り離すことができ、法人の経営状況が改善することができました。

さいごに

ここまで、デイサービスのM&Aに関するメリット・デメリットや事業承継完了までのプロセスについて紹介しました。これまで運営してきた事業を第三者に譲渡するという決断は簡単なものではありません。だからこそ、事業の運営継続ができている間に話を進めていきましょう。

デイサービスのM&Aにおける注意点

デイサービスのM&Aは、介護業界という特殊な事情や事業の特性などを理解している専門家に支援を依頼しないとトラブルに発展することもあります。

例えば、事業承継に際して役員が引退する場合、退任予定の役員がどういった資格を持っていて、管理者等の役職として行政に届出をしているかという事に注意して、後任の人材を準備しなければいけません。万が一、行政の定める人員基準を満たすことができなかった場合は、承継後に行政からペナルティを受ける可能性があります。特に、退任予定の役員が看護師で譲受側に代替人員がいない場合、新たに周辺の訪問看護事業所と提携をしなくてはいけないため注意が必要です。

当社は、デイサービスの承継事例があり、買収候補企業様から多数のデイサービスの買収希望をいただいております。自社のデイサービスの価値が知りたい、事業の譲渡に興味があるなど、どんな些細な内容でも構いませんので、気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

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