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近年急増中のホスピス型住宅とは?有料老人ホームとの違いも解説!

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今後、高齢化の影響により医療機関での患者の受け入れが困難になると予測されるなかで、在宅医療・訪問看護のニーズが増大しています。
その中でも、末期がんや難病などを抱えた医療行為が必要かつ、自宅での治療が困難な方の受け皿として、自宅と病院の中間の役割をもつ「ホスピス型住宅」が近年増えてきています。
本コラムではホスピス型住宅の特徴や、有料老人ホームとの違いなどについて解説します。

ホスピス型住宅とは

「ホスピス型住宅」急増の背景

現在、医療費削減のため病床数の削減が進んでいますが、今後ますます高齢者人口は増加し、2040年頃には団塊の世代が平均寿命を迎え、年間死亡者数が167万人でピークを迎えるといわれています。
そこで政府は病院以外での看取り場所の確保のため、地域包括ケアシステムの推進や、在宅や介護施設でも看取りが広まるよう、診療・介護報酬上の看取り体制の強化を図ってきました。
しかし国が在宅ケアを推進する一方で、高齢者が終末期を過ごす看取りの受け皿が不足していることから、「ホスピス型住宅」の開設ペースが急増しています。

出典:厚生労働省|2040年頃の社会保障を取り巻く環境

「ホスピス型住宅」の基本概要

ホスピス型住宅とは末期がんや難病を抱え、回復が見込めない状態であると医師の診断を受けた患者が入居できる入居型介護施設のことです。
一般的な病院や介護施設とは異なり入居期間に定めがなく、患者の身体的、精神的なケアに重点を置き、症状の管理や苦痛の軽減といった医療的なケアはもちろんのこと、心理社会的支援や患者の家族や身近な人たちに対しても支援を行います。最期の時間をできる限り快適に過ごせるようにと、なるべく静かで落ち着いた自宅に近い環境を提供している施設が多くあります。

「ホスピス型住宅」の特徴

ホスピス型住宅は以下のような特徴があります。

  1. 専門的なケアと支援
    終末期や末期疾患を持つ患者に対して専門的な医療ケアが提供されます。
    医師、看護師、ソーシャルワーカー、カウンセラーなど、多職種によるチームが患者と家族を支援します。
  2. 苦痛の軽減と症状管理
    患者の苦痛を軽減するための積極的な症状管理が行われ、痛みや吐き気の管理、呼吸のサポート、心理的な安定の促進などを行います。
  3. 心理的・精神的サポート
    患者が安らぎを感じ自分らしい最期を迎えられるように、心理的および精神的な支援が提供されます。これにはカウンセリング、スピリチュアルケア、心理社会的な支援が含まれます。
  4. 家庭的な環境と快適さ
    家庭的な雰囲気を大切にした落ち着いた環境で、面会制限のない施設が多く、家族と一緒に時間を過ごすことができます。
  5. 家族へのサポートと教育
    家族に対しても、患者のケアに関する支援や教育が行われます。これにより、家族も患者をより良くサポートすることができます。
  6. 自己決定権と尊厳の尊重
    患者の意思や自己決定権を尊重し、可能な限り患者が自分の人生の最期をコントロールできるようにします。ホスピス型住宅では尊厳ある死を支援しています。

ホスピス型住宅は医療的ケアだけでなく、人間らしさと心のケアに重点を置いた場所であり、患者とその家族が穏やかで安心した環境で最期を迎えることができる場所といえます。

有料老人ホームとホスピス型住宅の違い

介護のレベルとサービスの違い

有料老人ホームは、すでに介護が必要な方やこれから介護が必要となる方を対象としており、身体介助や日常生活のサポートを中心に行います。
一方、ホスピス型住宅は公的に制度化された施設形態ではないため明確な規定はありませんが、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅のうち、がん末期や難病の方を対象とした入居型介護施設を指します。(施設によって「ナーシングホーム」「医療特化型有料老人ホーム」「ホスピス住宅」「ホスピスホーム」と様々な呼称があります)
ホスピス型住宅へ入居する方は、がん末期や難病を抱えた方が多いため、しばしば痛みや不快感、息切れ、吐き気などの身体的症状に苦しむことがあります。そのため、常駐している看護師が患者の症状を適切に管理しながら、快適に過ごせるようサポートします。
したがってホスピス型住宅は有料老人ホームと比べると、より手厚い医療的なサポートを受けられるといえるでしょう。

入居条件の違い

有料老人ホームの入居条件はその種類によって異なり、要介護認定を受けていなくても入居できるところや、医療ケアが必要な場合には受け入れができない施設もあり様々です。一方でホスピス型住宅の入居条件は、がんの末期状態の方や国指定の難病を抱えた方など、医療的依存度の高い方に限定されている場合が多いです。

▷有料老人ホームの種類についてはこちらのコラムで詳しく説明しています。

ホスピス型住宅のメリット

家庭での介護の負担軽減

訪問看護を利用することで、自宅にいながら医師や看護師による医療的処置を受けることができます。しかし、自宅での介護は家族の心身的負担も大きく、一人暮らしの方や家族に頼れない方にとってはホスピス型住宅は最後の砦のようなものです。
ホスピス型住宅では看護師が常駐しているため、容態が急変した際はすぐに対応することができ、食事も介護食が提供されるため、病院のような安心感で自由度の高い生活を送ることができます。

専門スタッフによる一人ひとりへのケア

緩和ケアに特化した専門性の高い看護師や介護士が24時間常駐しているケースが多く、在宅呼吸器、在宅酸素、吸引、中心静脈栄養などといった、容態に合わせた幅広い医療ケアを受けることができます。

ホスピス型住宅のデメリット

費用面での課題

ホスピス型住宅では固定費(家賃・管理費)と別に、生活費、訪問看護・訪問診療など保険サービスの自己負担費用などが発生し、1か月約20~40万円が相場になります。(施設や患者の要介護状態により異なります)

またホスピス型住宅をめぐっては、医療保険の診療報酬を多く得る目的で虚偽の記録作成といった不正や、過剰とみられる訪問看護を入居者に実施しているといった問題も発生しています。
訪問看護は介護保険が適用される場合と医療保険が適用される場合の2パターンがあり、通常は高齢者は介護保険適用ですが、末期がんや難病などの場合は医療保険も適用され、診療報酬も高めに設定されています。
現状では複数回、複数人で毎日訪問し、その分の報酬を受け取ることができるため、過剰な看護を招きやすくなっています。

さいごに

ホスピス事業は有料老人ホームやサ高住よりも末期がんや難病などの医療依存度の高い人に特化しているため、介護保険報酬に加え医療保険の診療報酬も得られることから、収益性が高く近年急増しています。そのことから有料老人ホームなどを買収し、「ホスピス型住宅」へ事業転換する事業者も増えています。

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