こんなお悩みありませんか・・・?
以上の状況を踏まえ、多くの薬局が従来の薬局単独での事業モデルから脱却し、より包括的なヘルスケアサービスの提供を目指す傾向が強まっています。
薬局が介護事業に参入することには多くのメリットがあります。特に、在宅患者の生活全般をサポートする包括的なケアが提供可能になる点や、薬局事業と介護事業を同時に展開することで、薬や処方箋とは違った視点での患者・利用者に関わることができ、厚労省の掲げる地域包括ケアシステムの重要な役割を担う存在として、地域からの信頼を得ることが可能になる点などが挙げられます。
本コラムでは、薬局が介護事業に参入する際のメリットや成功戦略について詳しく解説していきます。
介護市場は、高齢化社会の進展に伴い、今後も成長が見込まれる分野です。特に、在宅医療・介護市場は拡大が見込まれており、早期に参入することで将来的な事業拡大の機会を得ることができます。
しかし、介護業界は競争が激しいため、地域のニーズを詳細に分析し、自社の強みを活かせる分野を見極めることが重要です。例えば、特定の疾患に特化したケアや、高齢者向けのリハビリサービスなど、地域のニーズに合わせたサービスを提供することが求められます。
出典:総務省|統計からみた我が国の高齢者
介護業界全体が直面している深刻な人材不足の問題は、介護事業に参入する際にも大きな障壁となります。そのため介護業界で現在最も大きなニーズは、人材の確保と定着だと言えます。
介護職員の確保が困難であればサービス提供に支障をきたす可能性があり、この問題を解決するためには、外国人人材の受け入れや労働条件の改善、研修制度の充実、地域の教育機関との連携などが考えられます。
介護保険制度は2000年に施行された社会保険制度で、主な特徴は以下の通りです。
これらの団体は、介護サービスの質の向上、介護人材の育成、政策提言などの役割を担っています。
主な介護職種には以下があり、人材要件は介護の専門知識・技術に加え、コミュニケーション能力や観察力、体力なども重要とされています。
在宅訪問を行っている薬局の中には、施設在宅を続けるため、介護
薬局が介護事業に参入することで、在宅患者の生活全般をサポートする包括的なケアを提供できるようになります。例えば、訪問薬剤管理指導を行う薬剤師が、患者の服薬状況や健康状態を把握し、介護スタッフと連携して適切なケアプランを作成することが可能です。これにより、患者は医療面だけでなく、生活面でも必要なサポートを受けることができ、生活の質の向上が期待できます。
薬局事業と介護事業を同時に展開することで、患者の医療・介護ニーズに関する情報共有が密になります。例えば、薬剤師が患者の薬歴や健康状態を把握し、介護スタッフに共有することで、介護スタッフはより効果的なケアを提供することができます。
介護保険サービスと調剤報酬の双方を得ることができれば、事業の安定と収益の向上が期待できます。
介護保険サービスの一つである居宅療養管理指導を薬剤師が行うことで、通常の調剤業務に加え、「居宅療養管理指導費」を得ることができます。これは通常の調剤報酬とは別に算定可能です。
仮に以下の前提で、入居施設の入居者様への訪問で居宅療養管理指導費を算定できた際の、シュミレーションを行います。
(※あくまでシュミレーションですので実際の結果を確約するものではなく、個々の状況や規制に応じた詳細な計算が必要となります。)
【シミュレーションの前提】
・入居施設の入居者様30名に対して、月2回訪問すると仮定
・技術料/回の平均:2,500円/回(※令和5年度の技術料の平均)※1
・服薬管理指導料/回:59点/回(3か月以内45点)
・居宅療養管理指導料/回:342点/回(10人以上)
5,330円/回 × 30名 × 2回 = 319,800円/月
319,800円/月 × 12ヶ月 = 3,837,600円/年
1年で見込める粗利は、約380万円の技術料(+薬価差益)となります。
※1 出典:厚生労働省|「令和5年度 調剤医療費(電算処理分)の動向」
薬局だけでは地域との関り方が単一的になりがちですが、介護事業を行うことにより地域住民の「生活」にも関わることができます。これは、「かかりつけ薬局」や「健康サポート薬局」に求められている機能と通じる部分が多くあります。また、薬局事業のみでは関わることがない方々(ケアマネージャーや介護福祉士等)と関わり信頼関係を築くことで、地域のニーズを多面的に認識し対応することのできる、地域に欠かせない存在になることが可能です。
前途の通り、高齢化による介護ニーズが増大していることから、異業種から介護業界への参入が増えています。以下のような多くの大手企業が自社の経営資源や強みを活かして介護事業に参入しています。
異業種企業が介護業界に参入する主な理由には、以下のようなものがあります。
異業種企業の介護業界への参入形態は様々ですが、以下の業態へ参入するケースが多いです。
大企業の経営ノウハウを活かした経営管理体制の強化が可能です。これにより、効率的な運営や品質管理の向上が期待できます。次に、資金力を活かした設備投資や雇用条件の改善が可能なため、最新の設備導入や人材確保・育成に積極的に投資できることは大きな強みとなります。
さらに、本業で培った資源や技術を介護分野に応用することも可能です。例えば、ITやロボット技術の導入により、介護の質の向上や業務効率化を図ることができます。
一方で、異業種企業の参入により、介護業界の競争が激化しています。既存の介護事業者にとっては、これらの新規参入企業との差別化や独自の強みの確立がより重要となります。
在宅訪問薬剤管理指導と介護サービスを組み合わせることで、患者の生活全体をサポートすることが可能です。訪問薬剤管理指導を行う薬剤師が、患者の服薬状況や健康状態を把握し、介護スタッフと連携して適切なケアプランを作成します。例えば、糖尿病患者の場合、薬剤師が定期的に血糖値をチェックし、介護スタッフと協力して食事や運動の指導を行うことが可能です。
ケアプランサービスを通じて介護事業者とのネットワークを強化することで、在宅訪問薬局事業に間接的なシナジー効果が生まれます。このプロセスの中心となるのが、ケアマネージャーです。ケアマネージャーは、患者の医療・介護ニーズを総合的に把握し、最適なケアプランを作成します。
このケアプランには、訪問看護や訪問リハビリテーションなど、様々な介護サービスが含まれます。これらのサービスと在宅訪問薬局事業が連携することで、患者の生活全般を包括的にサポートすることが可能となります。
介護事業に参入することで、介護施設入居者や在宅介護サービス利用者など、新たな顧客層にアプローチできるようになります。既存の薬局事業だけでは取り込みきれなかった顧客層をターゲットにすることが可能です。
地域包括ケアシステムの中で、医療と介護の両面からサービスを提供できる強みを持つことで、他の薬局や介護事業者との差別化が図れます。例えば、地域の医療機関や介護施設と連携し、包括的なケアを提供することで、地域住民からの信頼を得ることができます。また、地域のニーズに合わせたサービス提供を行うことで、競合他社との差別化を図り、事業の成長を促進することが可能です。
介護報酬の改定や政策変更により、事業の収益性が左右される可能性があり、介護報酬が引き下げられると、収益が減少するリスクがあります。このため、事業計画を立てる際には、こうしたリスクを考慮し、柔軟に対応できる体制を整えることが重要です。また、政策動向を常に把握し、適切な対応策を講じることで、リスクを最小限に抑えることが可能です。
介護事業は今後も成長が見込まれる分野ですが、同時に競争も激しくなっています。このため、参入にあたっては地域のニーズを詳細に分析し、自社の強みを活かせる分野を見極める必要があります。例えば、地域の高齢者の健康状態や生活環境を調査し、特定のニーズに応えるサービスを提供することで、競合他社との差別化を図ることができます。また、地域住民とのコミュニケーションを密にし、信頼関係を築くことで、長期的な顧客獲得につなげることが可能です。
CBグループでは薬局と介護福祉に特化した支援を行っています。
以下のケースは薬局が介護事業を買収し、参入したケースです。
【介護】売手 | |
譲渡業態 | 中規模以上デイサービス、住宅型 有料老人ホーム、グループホーム |
M&A形態 | 株式譲渡 |
売上/年 | 1億5,800万円 |
譲渡理由 | 後継者不在、経営への疲弊 |
譲渡対価額 | 1,560万円 |
【薬局】買手 | |
店舗数 | 4店舗 |
希望業態形態 | グループホーム |
譲受理由 | このままでは薬局経営が難しくなると考え、 介護業界への参入 |
薬局業界の再編が進む中、事業を拡大するチャンスは減少しています。
一方、診療報酬の改善は見込めず、人件費等のコストは増加していくばかりです。
以上のような状況を鑑み、薬局単独での事業戦略を転換し、
シナジー効果のある介護・福祉事業を買収、進出する薬局が増加傾向となっています。
CBグループでは、薬局経営者の皆様に向けて、介護事業参入に関する無料相談を承っております。
市場分析から事業計画の策定、M&Aのサポートまで、経験豊富な専門家が丁寧にアドバイスいたします。
介護事業への参入をご検討中の方、具体的な戦略に悩んでいる方、まずはお気軽にご相談ください。
皆様の事業拡大と地域医療・介護の発展に貢献できるよう、全力でサポートいたします。