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M&Aアドバイザーから医療経営者様にお伝えしたいこと2

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M&Aとは『Mergers(合併)and Acquisitions(買収)』の略であり、当然ながら「売買」という側面があります。

しかしながら、本来的には売買の対象ではない医療法人(個人クリニック)に対して、対価を設定したり、クロージングまでお話しをまとめることは容易いことではないと常々感じます。
2022年4月投稿の「M&Aアドバイザーから医療経営者様にお伝えしたいこと1」でも話題としております)

いずれ直面する経営決断。適切な医療M&Aとは何か、その在り方とは

先日、ある医療法人の理事長とお話ししている際に、
「どういう病院やクリニックが、承継成立しやすいのか」
と質問をいただきました。
「難しすぎる質問です」と前置きした上で、私のご支援実績や、他社との情報交換を元に感じていたことで、
譲渡主様のスタンス
が一要素として考えられるのでは、とご回答差し上げました。
すると、確かにな、とご評価いただきました。

私どもCBパートナーズでは、「適切な医療M&Aとは何か、その在り方」を常々考え、ブラッシュアップしながら、草の根的に啓蒙活動を続けております。
その一環として、2022年6月に
医業承継Case Study Book~いずれ直面する経営決断のためのヒント~
を冊子にまとめリリースさせていただきました。
各医療機関様に対し、DMにて情報提供させていただいたのですが、当初の想定を大幅に超える反応をいただいており、医療事業承継の関心の高まりを感じております。
もしご関心が有られましたら、無償でご提供させていただいておりますので、是非当社までお問い合わせ下さい。

Casestudybook申込ボタン

譲渡主様の課題解決はスタンスにある

さて今回は、啓蒙の一環として前述の理事長にお伝えしたことを投稿させていただきます。

冒頭申し上げました通り、M&A(事業承継)には売買の側面がございます。
お話しをまとめていくにあたり、課題となることは複数出て参りますが、そのなかでもやはり「金額感」については無視できない課題となるケースがほとんどです。
そこで大事になるのが、譲渡主様の根底にある考えであることも見えて参りました。

それが、譲渡主様のスタンス

  1. 「高く売却したい」を優先されるか
  2. 「存続させたい」を優先されるか

となります。

「高く売却したい」を優先する

これまでにこれだけのことをやってきた、だから少しでも高く評価し、対価に反映させたい、という譲渡主様のお気持ちは痛いほど分かります。
しかしながら、今の盛況は譲渡主様だからこそ作り上げることができている、と考えることもできます。
これほどに、代表者の力量に依存する業種は、他業種ではなかなか無いことであり、言い換えればそれだけ「医師」は特別であるということです。

一方で譲受主様の視点で考えた時に、個人・法人関わらず、「新規開業」した方が良いのか、「承継開業(必要に応じ、機器・設備等の追加投資も含む)」した方が良いのか、その経済合理性は必ず考えるポイントとなります。
譲受主が承継開業に期待されていることの一つとしては、一定数でも患者様がいらっしゃる状態でスタートできることであり、そのウエイトが検討要素の多くを占めることは事実です。

そこで、譲渡主様・譲受主様、双方の公平な基準となるのが適正価額です。
なかには残念ながら「適正価格=安売り」とお考えになられてしまう譲渡主様もいらっしゃるのも事実ですが、私どもがお伝えしたいことは、適正価額(譲渡対価設定における考え方の相場)無しには、当社が考える適切な医療M&Aは成立し辛いということです。
適正価額は、エリアや立地、診療科目、財務状況、開設年数、保有資産等、様々なことを勘案し設定します。

M&A(事業承継)は、お相手あってのお話しです。
適正価額を大きく逸脱し、高く売却したいを優先される場合は、お話しがまとまることも難しくなってくると言わざるを得ません。

「存続させたい」を優先する

譲受候補先が見つかった時に、「高く売却したい」を優先すると比較するとお話しがまとまる可能性は高いです。
それは、前述しました「適正価額」に対する理解を、まずお持ちでいらっしゃるからです。
それは、譲渡主様にとって、対価ももちろん大事ですが、それよりも患者さんや従業員の方の継続雇用を優先されるお気持ちが強いからであると、面談させて頂く中で感じます。
中には無償でも良い、とお話しされる方がいらっしゃることも事実です。

仮に無償譲渡の場合は、譲渡主様・譲受主様双方に「税金」という新たな課題が出てきてしまいます。
従いまして当社としてはそれを加味しても「適正価額での取引」を推進させて頂きたいと考えております。

適正価格を知るために、価値算定の活用を

「高く売却したい」を優先されるか、「存続させたい」を優先されるかについて、それぞれ解説させていただきました。

当然ながら、私どもがお伝えした適正価額はあくまで売買金額の基準に関してであり、それに限らず最終的には譲渡主様・譲受先様双方の合意によって、金額感についての課題は解消され、クロージングへと近づきます。
ただ、経験上のお話しで恐縮ですが、実際の現場では、ほぼ論点となります。
従いまして、これから将来的な譲渡をお考えの皆様にとっての一助になればと思い、今回の投稿とさせて頂きます。

なお、将来的な承継を見据えていらっしゃる場合に、当社では無償にて価値算定も実施させていただいております。
「適正価額を知る」という点においても何なりとご相談下さい。