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<インタビュー>法人経営の軸となる志や理念に合わない介護事業を譲渡という選択肢で手放すことも時には大切。

株式会社在宅支援総合ケアーサービス

株式会社在宅支援総合ケアーサービス・代表取締役の依田 和孝 様は、2011年8月に同社を立ち上げました。設立から10年。自身の会社で立ち上げた放課後等デイサービスを他法人に譲渡する経験をしました。譲渡した想いや今後の経営方針についてお話を伺いました。

譲受企業

本社所在地

埼玉県

業態

放課後等デイサービス、就労移行支援事業所、障害者グループホーム、相談支援事業所

譲受後の状況

既存事業とも連携しながら運営

譲渡企業

本社所在地

千葉県

業態

居宅介護支援事業、訪問看護、訪問介護、訪問入浴、福祉用具貸与・販売、住宅改修、看護小規模多機能型居宅介護、保育事業、教育事業、運動事業、買取事業、訪問鍼灸、美容事業、フィットネス事業

譲渡理由

人繰り・法改正の問題も踏まえ、今後も継続的に同社で運営することが難しいと判断し、譲渡を決意

ストラクチャ

事業譲渡

サービスの根源は「ヒト」。介護業界は法改正の見極めも必要

―譲渡を決断された放課後等デイサービスを立ち上げた経緯を教えてください

ある事業所の管理者が、ボランティアで障がいがある子供たちを集めて運動を教えていました。非常にやりがいもあったようで、ボランティアでやっていることを事業化できないかと相談を受け、私自身も勉強し、詳しい人も巻き込んで立ち上げに成功しました。実際に近隣の学校等に営業活動を行い、少しずつ利用者様も増えていきました。定員10名の事業所をもう1つ増やすほど、滑り出しは順調でした。

―順調な滑り出しから一転、譲渡を検討された理由を教えてください

理由は大きく分けて二つありました。

一つ目は、人繰りの問題でした。定員を20名として、事業としては採算も取れていましたが、法人本部とは少し距離もあった事業所なので、管理が行き届かず、リーダーとなる人物が運営方針と合わない行動をし始めてしまいました。その後、その人物がやりたいことと、当社の運営方針に齟齬があるということで、退職してしまいました。

二つ目は、介護報酬改定という法改正の問題でした。2021年は3年に一度の介護報酬改定の年で、運営していた通所介護ならびに放課後等デイサービスは、かなり大きな影響を受けました。
特に放課後等デイサービスは3年間、「スポーツ特化型放課後等デイサービス」を謳い運営してきましたが、法改正の影響もあり、1年の間、赤字を出してしまいました。経営者としては黒字転換させるためにも、運営方針を転換しようと職員と話しましたが、3年間行ってきたことに変化を加えることは職員にとっても負荷が大きく、同意を得ることに苦戦しました。

以上二点の理由から、今後も継続的に当社で運営することは難しいと判断し、譲渡を検討し始めました。

譲渡時に意識したことは、譲受先が既にその事業をやっているかどうか

―譲受先を検討するうえで重視したポイントはありますか

譲受先が、放課後等デイサービスを既にやっているか否かは、大きなポイントでした。やはり経験がある相手は共通言語があるので、話していても理解が早いと感じます。介護事業や障がいがある方の利用を受け入れる事業では、例えば、経験がない場合、機械の一つをとっても一から説明する必要がありますよね。既存職員も誰に相談していいか分からず、譲渡後に負荷をかけてしまうと考えていました。また、今回のお相手は、譲渡した事業所のエリア情報にも詳しかったため、安心して任せられると感じた点もポイントの一つです。

―譲渡に際し、苦労した点はありましたか

最後に固定資産をどうするかで、少し悩んだ部分はありましたが、比較的スムーズに話が進んだ印象があります。
CBグループに相談したのが2020年10月、その翌年、2021年3月には譲受先が決まっていたほか、固定資産をどうするか等、譲渡に際し、決めなければいけないことが全て決まっていました。一番気を遣ったのは、既存職員への伝え方です。伝え方を間違えると、離職してしまうリスクもありますし、それは譲受側の法人にも迷惑がかかることなので、慎重に進めました。

本人の職業選択は自由なので、最終的に離職に繋がるケースもありましたが、無事に既存職員が譲受先で引き続き勤務することになり一安心したことを今でも覚えています。サービスを生業とし、資格を必要としている介護業界で、根源となる「ヒト」の話は、伝え方一つで良くも悪くもことが進みます。その点には、難しさを感じました。

株式会社在宅支援総合ケアーサービス依田様

在宅医療、在宅介護を地域密着で。困っている利用者様の手助けとなるように

―法人全体の今後の目標やビジョンを教えてください

今後も、法改正に対応しながら、在宅に注力していきたいと考えています。法人内で薬局の運営も始めたことで、真の意味で地域包括ケアを体現できるようになってきました。そのため、このエリアでの在宅医療や在宅介護の認識をさらに強めていきたいと考えています。画一化されたサービスではなく、一人ひとりの状況に寄り添ったサービスを心掛け、困っている利用者様の力になりたい。一度譲渡した放課後等デイサービスも、志や理念が合うのであれば、是非また挑戦したいと思います。

また、介護保険対象外の事業も視野に入れたいと考えています。既に保育園は運営していますが、在宅医療が必要な小児や、小学校に通うことが難しい障がいがある子供もいます。最近では養護施設の運営にも興味があります。千葉市内は、受け皿となる養護施設が決して多くないのが現状です。その点、当社は、法人グループ内に医師も看護師も、薬剤師もケアマネも、さらにはリハスタッフもヘルパーもいて、医療・介護の人材は全て揃っています。この強みを活かして、今後も、地域密着で様々な事業にチャレンジしていきたいです。

―さいごに、CBグループに一言お願いします

CBグループとは、かれこれ10年近くのお付き合いになります。当時はファイルやロゴ、ホームページなどを複合的に提案してくれて、今も、当時提案してくれたものを使っています。人材紹介でもお付き合いがありましたし、当時から多方面で支援してもらっていたので、「総合力が高い」という印象がありました。

薬局運営を決断できたのも、CBグループがコンサルティングをしてくれると分かったからです。コンサルティング会社というと、中途半端に口を出す人が多い印象があったなか、CBグループは、担当の方が当社のことをしっかりと理解し、管理してくれるので、様々な提案をいただきました。当社のことを常に気にかけてくれているという安心感が今もあります。今後も、地域包括ケアの実践にさらなる磨きをかけてきたいと考えているので、引き続き、宜しくお願いします。

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