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訪問介護事業所閉鎖後の利用者・従業員の承継を検討する

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訪問介護事業所閉鎖前に第三者承継を検討する

訪問介護事業所は小規模で運営されているケースが多く、介護報酬改定や地域ニーズの変化などで経営に大きな影響を与えます。東京商工リサーチによると、2023年の訪問介護事業の倒産件数が60件に達し、年間最多を更新しました。

このコラムでは、なぜ閉鎖ではなく第三者承継をおすすめするのか、成功に向けた具体的なステップやポイントに焦点を当てて解説いたします。

訪問介護を廃業・閉鎖・倒産する前に

訪問介護事業所の倒産・廃業した事業所数

前述したように2023年は訪問介護事業者の倒産が、60件に達し、過去最多を更新しました。このうち、資本金1千万円未満が9割超となっており、従業員10人未満が8割超で、比較的規模の小さな事業所の倒産が目立つ結果となっています。

訪問介護事業所廃業・閉鎖の原因

倒産の原因は様々ありますが、ヘルパーの高齢化による人員不足や物価高などが重なった背景があります。介護業界ではヘルパー不足は常に課題として挙げられていますが、業歴20年以上の事業所が9件も倒産するなど、その影響は計り知れません。また、燃料代や介護用品といった物価の上昇も小規模事業者を苦しめる大きな要因になったとされています。

介護事業所における課題点とは

2024年度の介護報酬改定はプラス改定される見通しとなっており、それに伴った介護職員の賃金も増加する見込みとなっていますが、これだけでは人員不足の解消は難しいと言われています。2025年問題で知られる団塊の世代が75歳以上になり、ますます生産人口の増加が必要となることが明らかですが、人員不足からの脱却は困難を極めています。2024年度介護報酬改定の内容次第で、訪問介護にとどまらず、介護業界全体が衰退してしまう可能性も考えられます。もしそうなってしまった場合、今利用されている方や従業員は一体どうなってしまうのでしょうか。

訪問介護事業所閉鎖前に第三者承継という選択肢を

会社の倒産という最悪の事態を想定した場合、利用者は、従業員やケアマネジャーの協力のもと、全利用者の受け入れ先を探します。従業員は、生活に多大な影響を及ぼすため、事業者は誠意ある対応が必要です。また従業員の未払い給与、退職金は優先債権のため資金の用意、従業員の転職先斡旋など、事業者がとるべき対応は多岐に渡り、容易ではありません。訪問介護事業所を続けるか、閉鎖するか、会社倒産の危機に悩んでいる方は、第三者への承継も視野に入れましょう。従業員の雇用を継続できることや、利用者へのサービス提供を継続できるといったメリットがあります。

第三者承継の流れ

第三者承継はご相談から承継完了までの、概ね4~8カ月ほどを要します。1年以上の長期になるケースも少なくありません。

簡単に承継までの流れをご説明いたします。

  1. 現状のヒアリング
  2. 財務資料等の情報開示
  3. 会社・事業の価値算定実施
  4. 譲受候補先への打診
  5. 譲受候補先との面談
  6. 譲受候補先の買収監査
  7. 最終合意契約締結
  8. 譲渡実行

第三者承継のメリット・デメリット

第三者承継にはメリットとデメリットがあります。

メリット

・代表者が継続して働くか、完全に辞めるかを選ぶことができる

・譲渡後の利用者や従業員の契約についてのトラブルを廃業よりも減らすことができる

・承継の時期が明確なので、手続きや関係者への最後のご挨拶に時間を割くことができる

・譲渡対価が支払われる

・譲渡先を自分で見つける必要がない

デメリット

・仲介業者に依頼することがほとんどのため、仲介手数料がかかる

スムーズな承継のために

M&A仲介業者の選定を行い、自分が心から信頼できる企業を選ぶことが重要です。仲介業者選定後は、M&Aについて希望の条件等を相談し、細かく打合せを行うことで希望に近い条件で譲渡が実現することもあります。

さいごに

2024年度介護報酬改定も控えており、訪問介護事業所の経営状態は厳しい業況にあるといえます。他にも事業を行っている場合は、訪問介護事業だけを切り離すことも可能ですので、ぜひ一度CBパートナーズにご相談いただければと思います。

 

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